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■ RZ250のメーター照明をLED化 ■

【注意】
この情報で改造を行うときは個人の責任の範疇で行ってください。
(責任持ちませんし、持てません。)


はっきり言って初期型のRZ250/350に採用されているスピードメーターとタコメーターの照明は暗い。
特にスピードメーターはトリップ部分に光が届いておらず、夜間走行中にガソリン残量が気になった時などは燃料系を持たないRZにとってトリップメーターの数字が頼りとなるが、認識しづらいことから走行中に街灯などでトリップ部分が照らされるか、顔を近づけてメーターを凝視しなければならない。
走行中のメーターの凝視は危険でもあり、実際には街灯もまばらな郊外では信号待ちなど停止時にしかトリップメーターを確認できなかった。
そこで走行中でもトリップメーターの数字が確認しやすいようにとメーター照明の改善を行った。

RZのメーター照明はウェッジ球1個でメーター全体の照明を行っている。
照射ポイントはスピード/タコ共にメーター上部だが、内部にT字状の金属の板が仕込んでありメーターケース内部でウェッジ球の光を反射させてメーター全体を照らす仕組みになっている。
そのためにメーター下部の部分は光が弱くなりがちになり、トリップメーターが夜間は見えにくい結果となっていた。(水温計は一段下となる為に光を取り込みやすく、暗さを気にするレベルではない。)
トリップメーターの明瞭度を上げる為であれば単純にウェッジ球のワット数を上げるなどの方法もあるが、今回は消費電力の低減も狙ってLEDを光源として使用することにした。

使用するLEDはウインカーのLED化で使用したSuperFluxLED(アンバー)が残っているので、それを利用することにした。
光源の選定ではワット数を上げたウェッジ球・白色LED・アンバー色LEDの3つを候補にしたが、メーターパネルの裏を見ると黄色(橙色に近い黄色だが)の塗料が塗られており、ウエッジ球の光は黄色の塗料を通過してメーターパネルを照らしていた。
その塗料のせいか、白色LEDをメーター照明に使用すると白色から若干ズレた発色になってしまった。(白色LEDは基本色に青と黄色の色を使用している為に塗料でバランスが崩れたのかもしれない)


LED装着数の決定

LEDが決まったところでSuperFluxLEDを1個だけ使用してウェッジ球とLEDを入れ替えただけの最も簡単な条件で点灯させ、光の到達具合をチェックしてみた。
結果は絶対的に光量不足な状態となり、メーターパネルはうっすらと光る程度だった。

ウインカーLED化などの経験で電球とLEDの特性の違いなどを多少は得ることが出来たので、今回の場合はLEDを束にして光量アップさせても期待した結果は得られないと思い、光源を一カ所から複数箇所にすることにした。
光源が一カ所でよいので有ればメーターケースを分解することなく、ウェッジ球とのリプレイスのみで手軽になるのだが、そもそもの改善ポイントがトリップメーターの認識性アップであることから手法的には面倒な方を選んだ。

メーターのケース(この場合のメーターケースはスピードメーターもしくはタコメーター個体のケースを指す)を丁重に分解し、メーターユニットを取り出して内部へLEDをどう配置するか検討した。
最初は上と下の2カ所にLEDを配置したが、結果的にスピードメーターは4個、タコメーターは3個の配置となった。
それぞれの個数でどのような見え方になるかは以下の画像の通りとなる。
(タコメーターは最初から3個にしており、変更の必要がなかった)

尚、ノーマルではウェッジ球の光を分散させるために金属の板(円柱の先が折り曲げられたもの)が取り付けられているが、今回は不要なのでスピードメーター/タコメーター共に撤去した。


【速度計のLEDが2個の場合】
LEDを上下2箇所にハイしたが、メーターパネルの上下は非常に明るくなるが、左右が暗くなってしまった。
しかも下のLEDの位置にメーターパネルは「km/h」の文字があり、以上に明るく見える。

【速度計のLEDが3個の場合】
LEDをタコメーターと同じ3個にしてみた。
右側は十分に明るくなったが、スピードメーター左側の20km/h〜40km/hの部分が暗くなってしまっている。

(画像はタコメーター側のケースとなっているが、速度計側も同じ配置となっている)


【速度計のLEDが4個の場合】
LEDを1個追加して合計4個の場合。
パネルの40km/hの位置にLEDを追加したことで暗くなる部分は消えた。



速度計に4個目のLEDが必要な理由

速度計側もLEDのは数が3個で十分なはずだが、4個目のLEDが必要となったのには訳がある。
スピードメーターユニットを見ると速度警告灯用のセンサーがあり、このセンサーが若干だが横に張り出す形となって影を作っていたらしく、その影が丁度20〜40km/hの範囲に出てしまっていたようだ。


スピードメーターユニットを斜め前から。
パネルの数字「0」の右側にある白いパーツが速度警告灯センサーユニット。

背後から。
左側に見える白いパーツが速度警告灯センサーユニットだ。
幅がほぼメーターパネルの縁と同じなのがわかる。

速度警告灯は昔の法令に従って装着されていたが、法律的に問題がないのであれば撤去してしまうというのも一つの手だ。(撤去する場合は、以前の法令に従って生産された車両に付加された装置が、法令改正後に必要なくなった場合に撤去して良いかどうか法律的に問題がないことを確認してから行って下さい。車検が無いRZ250でも法令違反であった場合には事故を起こしてしまった時に影響が出ることも考えられます。←法律的な問題なので神経質に書いています、自己責任ということですが限界があるということをご了承下さい)
私は昔から80km/hになると速度警告灯が点灯することに慣れてしまっているし、何よりもオリジナルの動きを再現するのも面白いと思っているタイプなので敢えて撤去せずにメーターパネルを照らすことに拘った。

LEDはホットボンドで固定をしたが、スピードメーターのLED数を調整するときにホットボンドで固定されたLEDを外すとき簡単に外れてしまった。
どの程度の振動がメーターに及ぶのかわからないが長期的に見たら接着剤できちんと固定するのが良いのだろう、今回は思い切り手を抜いてホットボンドのままにした。


照明用LEDの電源確保

電源に関しては、蛇の目基板を小さくカットしてウェッジ球のソケットからとる形にした。
このLEDは70mAの消費電流だが、定電流ダイオードではE-153を4本+E-103を1本使用するのでスペース的な問題が出てきた。
神経質になる場所でもないので1/2Wのセラミック抵抗で電流制限を行った。


蛇の目基板で作製したウェッジ球用ソケットへの電源取り出し用基板。
(GPZ900RのLEDテールランプで使用していた蛇の目基板の再利用なのでマーキングなどが残ってしまっている)

基板の裏側。
極性があるのでソケットへの装着時にはハーネス側の配線を確認する必要がある。
逆流防止用ダイオードが無いことから極性を逆にしたまま装着して点灯させるとLEDにダメージを与えてしまい、
最悪のケースではLEDが壊れてしまう。

LEDバルブをウェッジ球のソケットに装着する場合は電極の極性に注意しなければならい。
電球では極性は関係なしに扱えるが、LEDは逆の極性では点灯しないばかりか、最悪の場合はLEDが破損してしまい、極性を正しく合わせても点灯しなくなってしまう。
今回と同じような手法でインジケータをLED化する時には配線の極性を調べる必要があるのだが、以下に今回の作業で確認された配線色と極性を参考情報として記すので必要に応じて利用して欲しい。

[場所]
 [+] 
 [−] 
ウインカー(左)
濃 茶
ウインカー(右)
濃 緑
HIGH BEAM
OIL/BRAKE.TAIL 
黒/赤
NEUTRAL
 水 色 
速度警告灯
※本来はLEDの配線を+-で表記しないが、一般の人に理解しやすいということで+-表記にしてある。


ウインカーインジケータのLED化

メーターパネルの照明は完成したが、まだアンバーLEDが残っているのでウインカーインジケータもLED化した。
ウェッジ球の替わりは上記の電源取り出し用基板と同じモノを作製(カットするだけだが)して先端にLEDを取り付けるだけだ。
このパーツは振動などにたいしても自重が軽いことから特別な対策も必要なく、簡単な方法で取り付けた。
電球と比較してみたが、画像ではLEDがやや暗めに見えてしまうが肉眼で見ると点灯はしっかりと確認でき、実用にはまったく問題無いレベルだった。
ただ、この場合はメーターケースボックスの構造上真正面のみに光が出ていけばいいのでSuperFluxLEDを使用するのではなく、一般的な砲弾型のLEDを数個束にするほうが認識性がアップするかもしれない。(SuperFluxLEDではサイズの関係で1個しか使用できないが、5φや3φの砲弾型LEDであれば複数個を束にして装着可能なので光量アップの自由度が高いと思われる。)

LED化したメーターボックスをRZへ装着して直射日光の下で点灯実験を行ったが問題は全くなく、むしろウェッジ球よりも認識が良いとも感じた。
直射日光が射さない日陰ではメーターパネルの照明もON/OFFが確認でき、こちらは完全にノーマルから改善されているのがわかった。


作製したウインカーインジケータ用LEDバルブ
制限抵抗は200Ωで0.75Wとなった為に1/4Wタイプを3本パラレルに接続している。

点灯試験中。
このインジケータバルブに限って言えばSuperFluxLEDの広指向角はメリットとして活かしきれないと思われる。

ウェッジ球とLEDバルブとの比較テスト。
左がLEDバルブ、右がノーマルのウェッジ球。
画像では電球のほうが極端に明るく見えるが、肉眼ではさほど差が感じられなかった。
これはデジタルカメラの特性かもしれない。

屋外の直射日光下で点灯させた状態。
バルブの装着角度もありインジケータレンズ全体を照らす形にはならないが、ウインカーが動作しているのは肉眼ではっきりと確認できた。
この画像ではニュートラルランプとTAIL/OIL警告灯もウェッジ球で点灯しているが、ウインカーインジケータの光と比べると逆に弱々しく感じる。(これもデジカメの露出が最も明るい箇所に設定を合わせる写り方によるもので、広い帯域で光を認識できる肉眼では問題ないと思う)



■メーターインジケータのLED化

ウインカーのLED化は終了したが、メーターボックスの中にはまだメーターインジケータの「HIGH BEAM」「OIL/BRAKE.TAIL」「NEUTRAL」「速度警告灯」でウェッジ球を使用していた。
既にLED化の趣旨(ヘッドライト点灯時のアイドリング状態でのウインカー動作の向上とスピードメーターのトリップ認識性アップ)は満たしているのだが、遊び心でメーターボックス内の電球をすべてLEDに置き換えた。

今までは残り物のLEDで凌いでいたが、インジケータは青・赤・緑と3色が必要だ。
OIL/BRAKE.TAIL灯の赤LEDはテールランプ製作時の残り物でもあるTAIWAN OASIS社のTOL-50aURsCEs(12000mCD)を利用することにしたが、ニュートラルランプの緑LEDは東芝のTLGE183P(5000mCD/8deg)、ヘッドライトのHIGH BEAM灯は豊田合成のE1L53-3B(2400mCD/30deg/広角タイプ)を新たに用意することにした。
速度警告灯だけは強力に光る必要は無いと思い、型番は不明だが松下製の3φ/1200mCD程度の赤LEDを使用した。
ノーマル電球はすべてウェッジ球なのでウインカーインジケータの製作と同じように蛇の目基板をカットし、電流調整には石塚電子の定電流ダイオード(CRD)E-153を使用している。
また、画像は無いがヘッドライト内のポジション球も日亜化学のNSPW310BS(2990mCD/60deg)を使用したものに交換することにした。


完成したインジケータ用LED基板。
電圧がそれぞれ違うLEDということもあり、電流制限に最適な抵抗値を計算したところ手持ちの抵抗では足りないこともあり、今回は電流調整にCRDを採用した。

完成したLEDバルブ基板をRZ250のメーターボックスに装着し、点灯させてみたところ各インジケータで明るさがバラバラになってしまった。
特にニュートラルランプの緑LEDが日中では認識不可能なほど暗く、現在は2ストロークオイルが減ったときにしか点灯しないOIL/BRAKE.TAIL灯が異常なほど明るくなってしまった。
OIL/BRAKE.TAIL灯が明るすぎるのは12000mCDというスペックからだと思うが、以外だったのはニュートラルランプのTLGE183Pが5000mCDという超高輝度LEDなのに見えないことだった。


メーターボックスに入れる前の点灯テスト。
OIL/BRAKE.TAIL(赤)、ニュートラル(緑)、HIGH BEAM(青)となる。
左上の白い光はポジション球の白色LED。
尚、速度警告灯はこの状態では光ることが出来ない。

メーターボックスに装着して点灯させた状態。
NEUTRALの緑LEDだけが異常に暗い表示となった。

このままでは実使用に差し支えが出るが、対策として元のウェッジ球に戻すか、更に明るいLEDを用意するかと思ったが、ウェッジ球に戻すのは安直すぎるが緑色のLEDで12000mCD近いスペックは聞いたことがないし、手元に無い。
とりあえず、OIL/BRAKE.TAIL灯とHIGH BEAMに使用している赤LEDと青LEDをテスト的にニュートラルランプにしてみると、赤LEDのTOL-50aURsCEsではTLGE183Pと同じように暗いままだったが、青LEDのE1L53-3Bにしてみると明るさだけで言うと十分だった。
流石に色味は緑がかった青という妙な色になってしまったが、単純にLEDの明るさだけではないということになり(色フィルタかかったようなもの)、もしや?と思いポジション球の白色LEDを利用してNEUTRALに光をあててみると十分な明るさと色でインジケータレンズが光る。
結果としてNEUTRALインジケータにはNSPW310BS(日亜化学/2990mCD/60deg)を使用し、明るすぎたOIL/BRAKE.TAILインジケータには速度警告灯と同じ型番不明の松下製の3φ/1200mCDの赤LEDを使用することにした。

早速、メーターボックスに仕込んで点灯させてみると期待通りにNEUTRALインジケータとOIL/BRAKE.TAILインジケータはほぼ同じ明るさで点灯していた。
流石にHIGH BEAMインジケータだけは明るさが一段上といった感じになってしまったが、夜間走行中にハイビームにしたまま走行し続ける場面は滅多にないのでLEDの交換は行わないことにした。
速度警告灯の点灯実験は走行しなければ出来ないのだが、手元にはメーターケースが割れたスピードメーターが1つあり、手でメーターの針を動かすことが出来たので速度警告灯は走行せずにテストを行うことが出来た。

すべてのLEDを点灯させたメーターボックス。
HIGH BEAMインジケータだけ明るくなってしまったが、残りは程々に同じ明るさとなった。
速度警告灯は点灯していないが、3φの赤色LEDが装着されている。

オマケ(ポジションランプのLED化)

最後にLED化されたヘッドライト内のポジション球の点灯を確認して作業を終了した。
絶対的な明るさだけで言えばノーマルのポジション電球のほうが明るいのだが、白色LEDの冷たい色味もそう悪くは無いと思った。
暗闇の中では十分にヘッドライトの中に光を見ることができるので、しばらくはこのまま使用してみようと思う。


LEDのポジション球で点灯しているヘッドライト。
冷たく青白い光でヘッドライト全体がぼんやりと光っている。