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RZ250 2012/11
フューエルコック交換

フューエルコック、自然落下式で燃料を供給するRZ250では乗らない時はOFFにしなければならず、頻繁に操作する箇所でもある。
このコックが経年変化でOFFにしても微量のガソリンがキャブへ落ちてしまい、気を許すとクランク部がガソリン漬けになってしまう恐ろしい状態を引き起こす。
そんな状態なので数日以上乗らない時はガソリンコックとキャブの間のホースを外すという面倒くさい儀式を繰り返していたが、そんな生活にも飽きてきたのでネットでは既に常識となりつつある初期型RZの代替えフューエルコックを調達した。
今まで燃料コックの問題は知りながら、且つ、安い代替え品が存在するのに実行しなかったのは単に「見栄えが変わる」というシンプルな理由だった。
それならばRZ250純正のコックが出るうちに交換してしまえばいいと思うが、RZ250純正コックはいずれは劣化して同じように燃料が漏れてきてしまうので1万円を超えるアッセンブリでのパーツ交換に至らなかった。

代替えの品物は同じヤマハの中間排気量オフロード車の燃料コック、要は純正流用というよくある話だ。(該当車種のオーナーにとっては在庫の問題があるので必ずしも喜ばしいことではないが…)
既に先人達の情報で現物合わせをしてもタンクの取り付け部も全く同じなのが確認されている。
ONとリザーブ時の取り込み口の高さは全く同じなのでメインタンクと予備タンクの燃料の割合も変わらずだが、唯一の差として取り出し口が1個口になってしまっている。
これについても純正のT字型の分岐パイプを使って2つに分岐させてやればいいだけだが、懸念事項が全くない訳ではない。。
今まで2本のホースで結んでいた箇所を1本に絞るので、燃料の供給が主な仕事の燃料コックとして大量に、しかも長時間に渡って燃料を消費する行為…つまりスロットル全開のまま高回転で長時間の走行を続ける場合にガソリンの供給が消費を下回り、キャブレタのフロートチャンバ室のガソリンが少なくなり過ぎる可能性がある。
そうなると油面が下がってしまうのでメインジェットはガソリンを吸い上げられないことから燃料を気化できず結果的に失速、最悪の場合は燃調がリーン寄りになっていることで焼き付くなどのトラブルを引き起こすのが有り得るだろう。
勿論、そこまで辿り着くには相当な時間をかけて全開走行をしなければならず、今の私の乗り方とRZ250の調子を考えると「ありえない」というのが結論だ。(今はゆっくり走るのが好きなんで、アクセル全開をする機会は滅多に無い)

燃料コックがら引いた1本の燃料ホースは、左右のキャブの間に分岐パイプを配置して2分割化し、それぞれのキャブへ接続した。
燃料ホースは市販の燃料パイプを調達して適当にカットしたが、装着後の感想では少し短いカットしてしまった感じなので後日に余裕をもたせたホースへ交換予定だ。
分岐させずに燃料コックからホースを2本取り出せる製品がミズノモーターから出ているが、ベースは代替品と同じTT250用の燃料コックのようだ。
値段も純正の品より高い金額なので、そこまでするならRZ250純正コックを調達するか、完全を目指してピンゲル化してしまったほうが良いと思うのは浅はかな素人考えだろうか。
どちらにしてもクランクをガソリン漬けにせず、正常な状態を保てるので個人の財力と好みの問題だろう、少なくとも私はオリジナルに戻してみたいと思っている一人だ。

この状態で1ヶ月ほど乗ってみたが、高速道路も一般道も燃料供給に関しての不具合や違和感は無く、私の乗り方と使うシーンでは問題が無いと判断した。
また、基本的に週末しか乗らない(乗れない)ので、その間を燃料コックOFFのままで過ごす事になるが、ガレージへしまう前に燃料コックをOFFにしたままアイドリングさせてキャブのフロートチャンバ室のガソリンも使い果たして1週間を経過させ、次に乗る時に燃料コックOFFのままエンジン始動を試してみたがエンジンが始動することは無かった。(交換前の燃料コックでは完全にガソリンを止め切れていなかったので、燃料コックOFFでもキャブへガソリンが落ちてしまい1週間もあれば始動するのに十分なガソリンがキャブのフロート室へ溜まっていた。)
実は今回の作業をするきっかけはRZ250で10月に琵琶湖へ出掛けた帰りの東名高速で出会った82年カラーのRZ250だった。
40代後半か50代前半と思われる男性だったが、そのRZに今回の代替品の燃料コックが装着されていて、本線走行中にすれ違う時にストック状態にしてはガソリンタンク付近が違うなと思っていたが、SA/PAで駐輪(結果的に途中まで同じペースで走っていた)していた時に視界に入ってきたのは燃料コックがストック品ではなく純正流用の代替品が装着されていた点だった。
思ったより違和感が無い印象だったので、気になり出して今回の作業に至った。

取り外したRZ250純正のフューエルコックは捨てずに残すつもりだが、燃料が止まらない原因のパーツが現在どのような状態か知りたくて内部の確認を行った。
燃料のON/OFF/RESを切り替えているのは中のテーパー状に加工された樹脂で行っている、この樹脂パーツがすり減ってしまい燃料コックのボディ側と隙間が出来てガソリンが落ちてしまっているのだろう。
樹脂パーツだけが部品として出れば安い金額で改善(ボディ側も消耗していくので延命に近いが)でるのだが、ヤマハからは燃料コックをアッセンブリで丸ごと発注しなければ樹脂パーツは入手できない。
私が今まで使ってきた燃料コックも樹脂パーツの一部に擦れて出来た粕のようなものがこびり付き、明らかに隙間があることを示していた。
テーパー部の部分摩耗であれば面を整えてやる事で密着度はあげらるが、私の手持ちの機材と技術力(と経験)では均一に面を整える自信が無く、また、ガソリンの経路となる穴の位置も燃料コックボディ側とずれてしまうので簡単には対処できないだろう。
ネットで樹脂パーツだけが手に入らないか検索したところ、個人経営のショップで過去に少数ロットの作成を行って販売していたようだが、検索した時は販売されていなかった。
オリジナルの燃料コックを今のうちに押さえておくか、それともショップ単位でレベルで樹脂パーツが流通するのを待つか、代替品のコックを使いながら時間をかけて考える事にした。