RZ250 (2012/09)
nuvi205用電源の改善 |
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小型な3.5インチ液晶を持つGarmin nuvi205、ポータブルナビとしては既に廃版品であり旧式な機能しか持ち合わせていないが2009年に使い始めて3年、現在も代替の製品が見つからないことから現役のままだ。
RZ250にnuvi205を装着して長時間の走行をすることが無かったので2012年の夏までは電源の供給に関してはGPZ900R用に作成した電源ボックス付きのハーネスを乗る時だけ移しかえていた。
しかし、2012年の夏以降は稼働率が上がってきたので専用の電源ボックスを用意した頃に電源周りで一つのトラブルが発生していた。
そのトラブルというのはnuvi205とETCを装着してエンジンを始動させ、数分経つとnuvi205の画面が全面灰色になってしまい使用できなくなるというものだ。
灰色になる瞬間は水が滲みるようにじわじわと灰色のエリアが広がり、さながら液晶コントローラが故障したのかと思うような挙動だ。
しかも、一度灰色画面になってしまうと外部電源のコネクタを抜いても電源はOFFにならず、まったく反応が無くなる。
電源ボタンをOFFの位置にスライドさせたまま一定時間ホールドする強制OFFしか道は残されておらず、電源をOFFにしてから再び電源をONにすると起動はするもののRZ250から供給されている電源コネクタを接続すると30秒と経たずに画面は灰色になってしまうものだ。
厄介な事に画面が灰色になった後、自宅に持ち帰ってACアダプタから補充電を行っても充電率は100%にならず、また、GPS波から取得する時間設定もクリアされている。
充電率を100%に戻すには、本体を開封して内蔵バッテリーのコネクタを基板から外す作業しか有効ではなかった。
画面が灰色になる原因を考えて見たが、本体の故障以外には以下の要素が考えられた。
1)電源BOXの電圧が低く、レギュレータの最低電圧を下回っている
2)RZ250が発生する電圧がエンジン回転により大きく変動し、電源BOXで対応しきれていない
3)RZ250の車体側から供給される電流にノイズが多く含まれ、nuvi205が誤動作している
4)同時に搭載しているETCが悪さをしている
上記の1)〜4)の要素に対して以下の確認を行ったが、明確な絞込みは出来なかった。
1)に関してはテスターで電圧を測定したが、エンジンの回転数に関係なく常に5Vを供給していた
2)に関してはアイドル時に12V、7000rpm時み14Vが出力されていたが、いずれも三端子レギュレータの許容範囲内
3)ノイズに関しては計測機器が無いので不明
4)ETCを外すとnuviは灰色画面にならずに稼動した(アイドリングさせた数分のみの確認)
1)2)は明確に理由から外れるが、3)は不明、4)でようやく変化が出てきた状態だった。
しかし、4)が原因ならばGPZ900Rでも同様の事象が発生するはずなので今回のトラブルとは関係が無いはずだ。
ということは残るは3)の電源ラインに乗ったノイズ…古い2st故に一番厄介なものとなってしまう。
高周波ノイズかパルスノイズか、はたまたまディファレンシャルモードノイズか、それともコモンモードノイズか、ノイズの世界も奥深い。
電源ライン用EMCフィルタでも間に挟むしかないのかと考え始めた時に単純な考えが浮かんだ。
nuvi205+ETC=動かない、nuvi205のみ動く、比較的新しい車体のGPZ900Rでは問題ないが、古い車体のRZ250では問題あり…根本的に電流量が足りないだけではないか?
根拠としては弱いが、nuvi205付属のACアダプタが何故か1Aという大容量のものを採用しており、nuvi205本体の消費電流を調べても約400mAを必要としている。
これにETCの消費電流が乗るのでRZ250の劣化したハーネス、しかも適当に引いた配線。
また、RZ250のみで数回使用したnuvi205は何故か内蔵バッテリーがほとんど空になっていたこともあって、供給される電流量が足りないことから内蔵バッテリーの電力も併用して動作していたとも考えられる。
これならば対策は簡単だ、別配線で電源を引いてやれば電流量不足は解決できる。
まずはテストとしてETCと同じくヘッドライトケースの中から引いていたnuvi用電源の元配線をRZ250のバッテリーへ直接配線し、ETCは今まで通り装着したままでアイドリングを5分ほどさせてみた。
今までの経験では3分経たずにnuvi205の画面は灰色になっていたので、ETCとの相性や車体から発するノイズなどによるものであれば今まで通りに灰色画面になるはずだ。(バッテリーがノイズを吸収してしまう可能性は捨てきれないが)
しかし、5分経ってもnuvi205は正常に動作していた。
これはイケると判断し、バッテリーから直接電源ラインを引く「バッ直配線」で対応することに。
ただし、バッテリーから配線をダイレクトに引くということは常に電源ボックスへ電流が流れ続けることになり、冬場など稼働率が落ちた季節にはバッテリーを無駄に消耗させてしまう危険性があるのでイグニッションキーに連動したリレーを追加し、無駄な電流を流さないようにした。
使用したリレーはオムロンのマイクロリレー G5V-1/12V、これはLEDウィンカー向けにリレーの作成を検討していた時のテストパーツだ。
スペック的には申し分なく、操作コイルに必要な電流量は12.5mA、リレー部分の接点容量は1Aまで対応とジャストなスペック。
今まで使用していた電源ラインをリレーの操作コイル用のコントロールラインとして使えばイグニッションキーに連動する。
電圧の制御は今までと同じく7809/7805三端子レギュレータを2個使用し、12〜14V→9V→5Vと2段階に分けて電圧を下げることによってレギュレータが発する熱を分散させたつもりだ(12〜14V→5Vでもケース全体が放熱フィンになるので問題は無いと思うが、念のために2段構成にしている)。
この構成で気になるのはリレーの操作コイルをコントロールする電圧がフラついて無意味に電源ON/OFFされることだが、ノイズ対策も兼ねて220μF/25Vの電解コンデンサが余っていたのでリレーの操作コイル端子へブリッジさせて車体側の電圧のフラつきを吸収させることにした。
少しだけ大き目な容量の電解コンデンサを入れたのでイグニッションキーをOFFにしても今までのように即座に電源OFFにならず、ほんの僅かだがワンテンポずれて電源がOFFになる。(体感で0.1〜0.2秒程度)
リレーも電解コンデンサも耐熱性は70〜80度程度までだと思うので、2〜3年毎に交換かな。(たぶん壊れるまで使い続ける)
机上の動作試験でも問題がなかったのでリレー内蔵の電源BOXを本製作し、RZ250へ取り付けて暫く走ってみたが一度も灰色画面になることはなかった。
nuvi205への充電に関しても充電不良になることは無く、車体のハーネスがいかに貧弱な電力供給であったかを痛感させられた。
また、nuvi205用電源BOXの改善と共にETCの設置場所も変更した。
Q-BANキットを利用してハンドル左側に装着する方法からnuvi205の隣、ハンドルポストの上に持ってきた。
専用のブラケットなどは無いのでエーモンステーを手曲げして強力な両面テープでプラ板を装着し、ベルクロを貼っただけだ。
エーモンステーはジャンクボックスにあった余りモノ、プラ板も外付けHDの縦置きスタンドの廃品、ベルクロだけ100円ショップで購入しておいたストック品だが特別なものは無し。
ETC本体のアンテナ部分がタコメーターに近づいてしまうが、この状態で首都高・東名・関越のETCゲートにて一度もトラブルは発生せず、今までと同じ反応でゲートが開いてくれた。
ワイズギアの大型ネイキッドバイク用のハンドルブラケットキットでも近い角度の製品があるので問題にはならないだろう。
シンプルだったRZ250のハンドルマウント周りが賑やかになってしまったが、これでナビとETCを手元へ集中させることが出来た。
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■フロントフォークに設置した電源ボックス
nuvi用の電源ボックスはフロントフォークにタイラップで固定した。
アルミ素材のケースは防水の機能を持っていないが、トップブリッジ下、且つ、ヘッドライトステーとヘッドライトの後ろに位置するので余程の大雨を経験しない限り浸水はしないと思われる。
仮に浸水したとしても、水抜きの為の穴が底部に設けられているので水分によるショートは発生しない配置にした。
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■RZ250に装着した状態を横から
nuvi205とETCを同時に装着してもイグニッションキーを回す余裕は残っている。
本来はnuvi205の背面に差し込むUSBケーブルで電源を供給するが、L字型のコネクタを使用しないと角度によってはハンドルポストやハンドルに干渉していコネクタを痛めてしまう危険性があったが、電源専用のコネクタをnuvi205の横に増設したので角度を変更する自由度が飛躍的にアップしている。
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[ ナビ用ホルダ RAMマウントの詳細は こちら ] |
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