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RZ250 2000/09
アイシング対策

RZ250に限らずキャブレタ式であれば冬場に冷え切ったエンジンに火を入れるとキャブレタ内部のスロットルが固着して戻らなくなる「アイシング」に遭遇するだろう。
このアイシングはエンジンの始動でキャブレタ内部の空気が一気に流れ出し、キャブレタボディとスロットルバルブの間で水分が凍り付いてしまうものだ。
更にRZ250では夏場でも発生する場合がある。

このアイシング、一旦は収まっていたものの再発したのでスロットルバルブ自体の消耗も考え、左右セットで新たに取り寄せすることにした。
スロットルバルブは上野バイク街にあるD's 上野店5階の純正パーツフロアで発注したが、初期型RZ250のアイシング対策だということを伝えるとカウンターの担当の方が「4L3で発注してもアイシングが再発するものが届くだけ、4L3のキャブに使える対策品があるが取り寄せるか?(勝手訳)」という有り難い情報を頂けたので部品番号を変更してもらった。
数日して部品入荷の連絡があり、RZ250(4L3/82年式)に装備されていたスロットルバルブと交換して試走を重ねたがアイシングは全く再現されなかった。

取り寄せたスロットルバルブは黒い塗装でコーティングされており、初期型では対策されていなかったがRZ250Rで対策されたとのことだ。
後日談で私が参加していたRZ-MalingListにて同じくキャブレタのアイシングが話題になり、初期型RZに乗っている人が部品を発注したところ本来の型番である29Lの部品番号では出てこなかったとのことなので私は29L以降の型番で発注されたようだ。(D'sの担当の方が変えてくれた部品番号を控えていなかったのが悔やまれる)

下の写真でもわかるとおり、切り欠きがスロットルバルブに追加されている。
また、キャブレターボディ側の問題でアイシングが発生するケースもあると別の情報源からコメントも頂いた。
この対策品のスロットルバルブの塗装はキャブレタボディと擦れ合ううちに黒い塗装が剥がれてしまう。
部品が安定して供給されることが補償されていない絶版車のRZ250/250Rシリーズでは29L以降のパーツだったとしても、塗装が擦れてしまった場合の入手は困難になるかもしれない。

尚、アイシングが発生してしまった場合は走り続けるうちにエンジンの熱がキャブレタにまわって自然解消されるが、冬場の朝などエンジンも人も冷え切ってしまう場合には5分ほど走行してから停まってエンジンを停止し、数分放置することでエンジンの熱をより早くキャブレタに伝えることで解消できる。
走り続けることで自然解消もいいが、空気の流れを止めてキャブレタボディ自体を暖めてあげたほうが時間的に早いというのが個人的な経験だ。


3つのバルブを並べて撮影。
左が今回新品で取り寄せしたアイシング対策版スロットルバルブ。
中央は今まで使用していたRZに装着されていた当時の対策品であると思われる29L用スロットルバルブ。
右が82年式4L3に装着されていた未対策品のオリジナルスロットルバルブ。
写真が小さくてわかりにくいと思うが、左側のスロットルバルブだけ下部に小さな切りかきが施されている。

上の写真のバルブの向きを90度変えて撮影。
中央のバルブ(29L用スロットルバルブ)ではアイシング対策の塗装が剥がれているのがわかる。
塗装が剥がれた下地は右側の4L3用バルブとまったく同じだった。

サイドビュー反対側。
アイドルスクリュー用のカットはサイズなどが全く同じであるのがわかる。