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GPZ900R 2009/06
二輪車用ETC装着

チャンスは何度もあった、しかし自分でチャンスを逃がしていた。
「そのうち付けるよ」
2008年の冬ボーナスでETCを買うつもりだったが気が乗らずスルー、2009年のシーズンが始まる頃にでも装着するか…そう思っていた。
しかし、高速道路が週末だけETC装着者のみ上限1000円の政策が実施されると正規の二輪車向け製品が市場から瞬く間に消えて入手が困難に、「こんなはずじゃなかった」という情報弱者の一員になってしまった。

5月の連休はネットオークションでゴニョゴニョした品を入手して金銭的な問題はクリアできたが、気分的にオールクリアではない品を使うのは宜しくないということで正規品GETのチャンスを狙った6月、会社を午前半休すると朝8時に東八道路沿いのナップス三鷹店前の行列に並んでいた。

四輪同様に購入補助が出るようになった二輪ETCは小さなバイク屋などでは予約数と入荷数がまったく折り合いとれず、2月の予約すら解消できていない店が多い状況でもあった。
その最中に何故かナップスだけは3月、4月と一店舗で三桁の数を吐き出すキャンペーンを実施しており流通の良さが伺える状況でもあったが、台数限定の助成も打ち止めが見えてきたかという6月の駆け込み時期に再びナップスでETC取付キャンペーンを実施したのでダメ元で行列に並んでみることにした。(キャンペーン以外に買えば良いという考えもあるだろうが、この時期、ナップス全店でキャンペーン以外ではETCの予約を受け付けていないという方針もあった)

そのキャンペーンの内容は、まず店舗に直接来た人にしか購入の権利が発生しないということ、次にキャンペーンの受付日は平日であり土日は絶対に引っかからないという一般的なサラリーマンからすると非常にハードルの高い内容でもあった。
普段は乗らない中央線下りで三鷹駅まで行き、そしてバスで東八道路まで出る、残りの距離は歩いてナップスまで行くのだが、朝8時頃に到着した時点で店舗の前から延びる長〜い人の列を視認した時に「こりゃぁダメかな」と軽く実感した。
後悔するよりは…ということで列に並んで遥か先の開店時間を待つことにしたが、ナップス側も人数の多さに配慮したのか8時半頃にはキャンペーンの内容を書いた紙と予約番号が書かれた紙を前の方から順々に配っていった。
そしてスタッフの人が一人ずつ簡単な説明を行っていくが、内容としては「受付の時間を考慮するとかなりの時間がかかります、番号からすると××時頃になるが、それでもいいか?」という意思確認と予想時間の伝達だった。
私は100番を少し過ぎた番号なので一体型と別体型両方が選べるだろうという情報と、正式な予約が行われるのは早くて昼過ぎ、途中の受付業務の進捗次第で遅れることも早まることもあるいいう説明だが、ここまで来れば事を一気に終えてしまうのがいいので快諾して一端解散となった。
この周囲にファミレスは無い訳でもないが少々歩かなければならない、しかも受付状況の把握を定期的に行う必要もあったので駐車場の端の日があたらない場所を選んで持久戦に突入。

結局、正式予約ができたのは予想時刻より20分ほど遅れた頃。
最初の説明時にスタッフが予想した通り、一体型と別体型のどちらも予約枠が残っており好きな方を選べる状態だったが、値段が安いのと考えもあって一体型を希望した。(スマートにするならアンテナとインジケータだけしか露出しない別体型だが…)
問題は取付作業日、今回の助成は「取り付けした日」にはじめて効力を発揮する内容となっているので早めの日付が有利、また、購入する側としても早いタイミングで作業してもらえるのが嬉しいのは当然のことなので近々の週末は作業枠が全て埋まってしまっており、持ち込んで即作業というのを週末や祝日に行おうとすると1ヶ月先という状態だった。
ここで予約シートの下に視線を移すと預け作業の枠であれば1週間以内に作業開始可能であった、スタッフの方に色々訪ねると数日なら作業開始日以前に預けても構わないというので次の土曜日に車両を預けてしまい、火曜日から作業開始して最大で1週間の作業枠という内容でお願いした。
次の土曜日にナップスへ車両を預けたが、作業終了の連絡が入ったのは木曜日、火曜に作業開始なので空き時間を使って3日間で作業完了という比較的早いと思われる日数で取付を完了した。(どのみち平日はバイクに乗れないので、一回だけ電車とバスで往復する手間のみの面倒さで終わったという感じだ)

ノーマルハンドルのGPZ900Rへ装着した一体型ETC(JRM-12)はトップブリッジへ台座を取り付けるという方法となった。
イグニッションキーを回す時にETC本体へ拳が少しだけ触れるが、それ以外はまったくもって問題を感じない位置だ。
自主運用機器を取り付けていた時はアンテナをメーターボックスの上に配置していたが、ネットやグローブなどを押し込んでいたスペースでもあったので出来れば開けておきたいスペースであったことからJRM-12の取り付けでメーターボックス裏のスペースが再び活用できるようになった。
トップブリッジ上の位置にJRM-12を置くと、タンクバッグがギリギリまで押し寄せる形になるが、駐車場の中で切り返しを行うなどハンドルの動作角をフルに使う場面以外では困ることはないだろうと推測される。(少なくとも走行中の進行方向変更ではハンドルを大きく曲げることはないし、高速であれば微量の角度調整で十分)
一つだけ気になるのはアンテナの位置がカウルに隠れるのと、メーターボックスがETCの進行方向に位置するのでゲートとの通信時に反応が遅くなるのではないかということだけだが、ナップススタッフの方によれば過去に取り付けした実績から問題ないという心強いお言葉も頂いているので杞憂であろうと思われる。

JRM-12は一体型なのでETCカードへのアクセスもワンタッチで開閉する蓋を開けるのみとなっている。
高速のPA/SAなど休憩で車体を離れる場ではカードを抜いておくのが安全だし、忘れてはならない作業になるのだが、本体は盗難対策として台座にネジ止めされているので簡単には外れない構造だった。
その台座もトップブリッジ側とETC機器側で2分割になっており、この上下を分割しないとETC機器の固定ボルトとトップブリッジへの固定ボルトが外れないようになっている。
少なくとも出先の駐車場でネジを数本外してJRM-12を盗むような行為は無駄であるのと誰かに見つかる可能性が高いので皆無と思われる。(カードが入っているかは確認されそうだが)
また、ETC機器は書き換えするにも前オーナーの登録情報を知らないと簡単には作業してくれない仕組みのはずなので現在のシステムでは盗難の可能性はかなり低いという楽観的予測もある。(それでも知らずに安易な考えで犯行に手を染める人がいるのが悲しいし虚しいことなんだが)

ともかくこれで完全防水型な正規のETCを入手したので安心して高速を利用できる。
やはり雨の日などに料金所で停車して濡れたレイングローブを脱いで高速チケットを探して…という手間から開放されるのは何よりも楽だ。
また、スマートICが使えるという別のメリットもあるので、料金が安くなるよりも手間が一つ減ったというメリットの方が私にとっては大きい。
これなら早く付けておけば良かった…