それは三軒茶屋を過ぎた246号線上で発生した。 土曜日の朝4時、車もそんなに多くはなく気温も25度は越えているものの30度にはまだ達していない状況で信号待ちの状態から発信して1速、2速、3速シフトアップし、タコメーターの回転は5000rpmあたりに達したところで 「パシュン!」 サイレンサーから音が出たと同時に車体がガクリと一瞬だが失速した。 「??」と思い、アクセルを一瞬戻してタコメーターの針を見ると4000rpm、特におかしい様子はない。 再度アクセルを開けて加速しようとすると「パシュン!」再び音がした。 アクセルを戻し、タコメーターの針を見ながらアクセルを再び開けるとスッ…と一瞬だけタコの針が落ちて失火していた。 車道の端へ忍者を寄せて止まり、プラグキャップおよびヒューズボックス関係を簡単に確認するが異常は見られない。 セルを回すとエンジンは通常通り始動するのでUターンして家路へ向かったが、家に近くずくにつれ失火は激しくなり、しまいにはアイドリングでも回転がストールし、エンジンが止まってしまった。 だましだまし忍者を走らせ、なんとか家に戻り電装系の接触不良が無いかコネクタまわりを確認するが異常は見られず、プラグも外してみたが特に問題は発見できなかった。 それでもとプラグは新品を用意して4本とも交換し、プラグ周りの関係配線のコネクタを抜いて接点の確認をして試走してみたが、結果は変わらずで走り始めた直後は正常に走るが、時間が経つと失火が出てくる傾向が強いと言えた。 翌週から色々調べたりテスト走行したりした結論から先に言うと、失火の原因となった部品はイグナイタ本体だった。 仮定の根拠として ・走行テスト時、エンジンを始動してから約30分程度で症状が出るという一定した時間 ・一度、失火の症状が出ても、エンジン停止を一定の時間行うと一時的に回復する ・配線上の問題(断線など)であれば走行開始からの時間に関係なく失火が出るはず ・失火するときはタコメーターの針も連動して落ちている ・回路図上、唯一の完全ブラックボックス箇所である の5点が頭の中にあった。 サイフには厳しかったが最も怪しいイグナイタを新品パーツで取り寄せ交換し、確認として症状が発生した曜日・時刻で同じルートを辿り、最初に失火を確認した場所を無事クリア。 考えられる原因としては、イグナイタの位置がエアクリーナーボックス上にあり、エンジンからの熱を受けやすいことから、走行開始後(エンジン始動後)にエンジンの熱を受けていた。
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