VX-15はVXO方式であるが故に周波数の調整範囲が限定されてしまう欠点を補うべく、MX-15専用の外部VXOユニットとして開発された外部VXOユニットだ。
簡単に言えばMX-15のVXO部分のみを外部ユニットとして持たせ、VXO水晶を簡単に交換できるようにソケットをフロントパネルに出した製品となる。 MX-15自体も他のピコトラ同様にVXO水晶を2個内蔵してA-ch/B-chの切り替えで50kHz+50kHzで最大100kHzの運用周波数を確保しているが、VX-15を接続することによって更に50kHzの運用周波数を追加することが出来る。また、VX-15のフロントパネルにはVXO水晶を装着するソケットが配置されており、ユーザーはMX-15本体やVX-15本体のケースを開けることなく手軽に水晶の交換が可能となっている。
このフロントパネル部分に水晶ソケットが配置されている構造はダイレクトに水晶を発振させて送信周波数を作り出すシンプルな構造の自作送信機ではあたりまえの光景でもあった。(VFO式は周波数のドリフトなど安定度問題が多く、PLL式が普及するまでは水晶の周波数固定で送信するのが送信電波がドリフトするを防ぐ手軽な方法でもあった)
接続はVX-15背部から出ている3.5φステレオプラグをMX-15のボトムパネルにあるExt.VXO端子に差し込むことで完了する。
似たようなオプションのCW-2Sでは内部に006P乾電池を内蔵していたが、VX-15では駆動させるのに外部からの電源が必要となり、電源に専用リニアアンプPL-15もしくは規定電圧を発生させるDCアダプタなどを用意しておく必要がある。
その為にVX-15のフロントパネルには電源スイッチが配置され、フロントパネル右下に配置された赤LEDが点灯し続けることで電源ONの状態であることを示す。
MX-15本体のトップパネルには「FUNCTION」を記されたスライドスイッチがあり、「VXO」ではMX-15内蔵のVXOを使用するが、「EXT」に切り替えた場合はVX-15で発生させた周波数を使って送受信を行うようになる。
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MX-15のトップパネル
左のFUNCTIONスイッチで
VXOを内部/外部に切り替える |
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MX-15のボトムパネル
左下のEXT KEYジャックで
VX-15と接続を行う |
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VX-15にも送受信周波数調節用のダイヤルが配置され、FUNCTIONスイッチを「EXT」に設定している間はMX-15本体の周波数調節ダイヤルを操作しても送受信周波数は変化しない。
VX-15側のVXO可変幅も本体と同じ50KHz幅となり、ケースを開けると見えるがVX-15もMX-15同様にポリバリコンを使用しているので操作感など実際の使い勝手は全く同じものとなる。
水晶も本体用の水晶をそのまま使うようになっており、MX-15本体にはCW用に15X05(21.050-21.100MHz)、SSB用に15X20(21.200-21.250MHz)を入れ、VX-15には15X10(21.100-21.150MHz)や15X15(21.150-21.200MHz)を必要に応じて装着することでMX-15本体を開けることなく任意の周波数での運用が可能となる。
VX-15を使用する上で一つだけ注意することがある。
それはVX-15の電源スイッチをONにしたまま、MX-15本体のFUNCTIONスイッチを[VXO]に切り替えてMX-15内蔵の水晶で運用すると、送信時にVX-15で設定された周波数とMX-15本体のVXOで設定された周波数の2波が同時に送信されてしまう。
VX-15を使わない時は常に電源スイッチをOFFにしておくのが無難だ。
一見して便利に見える外部VXOだが、ピコシリーズで採用されたのはMX-15だけとなる。
後発のMX-6Sをはじめとするピコトラスーパーシリーズでは外部からの周波数コントロールという概念は一切取り除かれ、本体以外にはリニアアンプのPLシリーズと、セミブレークインおよびサイドトーン発生用のCW-2S以外に目立ったハードウェアは用意されなかった。(細かく言えばノイズブランカユニットNB-2やスピーカーマイクMS-1/2、短縮ホイップアンテナANシリーズなどがある)
個人的な想像だがVX-15を運用する前提として電源を供給する必要があり、野外運用時など電源を手軽に用意出来ない環境では機動性を損なうなど問題が多く、結局はMX-15本体のみで運用するスタイルが定着してしまったのではないかと。
本当の理由はミズホ通信の高田OMに訪ねるしか無いが、ピコトラSの周波数拡大方法などが後年のCQ誌に掲載されたことなどを考えると外部VXOユニットが1機種のみの対応で消えてしまったのは個人的に残念と感じる。
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