ミズホ通信 ピコトラ用 合体ラック PR-2
Union rack for later Pico [ MIZUHO PR-2 ]
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PR-2はピコトラスーパー用のMX-2/6Z/15用に発売されたピコトラ本体とリニアアンプ(MX-15ではVX-15も含む)合体用の専用ラックだ。
MX-2/6Zと同じケースを使用しているMX-10ZにもPR-2への装着は可能だが、専用のリニアアンプがミズホ通信から発売されていないので、本体のみを装着することが可能としか言えない。また、その場合にリニアアンプが格納されるべき場所は空いたままとなってしまう。
型番から察することが出来るようにPR-1も存在するが手元にある資料では対象機種が判断できず、PR-1とPR-2の差が対象機種によるものなのか、機能的に違いが有るものなのかは想像の域を出ない状態となっている。
PR-1を見たことが無いのでPR-2とPR-3Sのみの比較として書くが、PR-2にはM型コネクタが配置されているのに気づく。
私が最初にPR-2を手にして真っ先に感じたのが「どっちが正面だろう?」という向きに関する疑問で、結論としてはM型コネクタが正面にくるのが正解のようだ。
これは下部に装着されたリニアアンプ背面にある出力コネクタの配線を前面に引き出すものらしく、固定機のように常に場所が一定となる機器と違って常に動かすことを前提とした製品故に、アンテナの接続作業を楽にするべく正面に配置されたようだ。
但し、この前面に配置されたM型コネクタがPR-3Sに引き継がれていない事を考えると評判が悪かったかコスト的に削られたかのどちらかだろう、いずれにしても重要な要素として扱われず消えていった仕様と思われる。
また、PR-2の上部には乾電池を格納できる電池ボックスが装備され、単ニ電池を9本格納して最大13.5Vの電力供給が可能となる設計にしてある。
実際にPL-2/6/15をONにして運用した場合、乾電池のみだと長時間の運用は出来ないと思われるがリニアアンプも含めて移動可能となるように設計されたのは明らか。
PL-2とPL-6は5W出力の設計であったことから当時のポータブル機と比べても無茶な組み合わせとは言えない。
むしろ、21MHz帯SSBでバッテリー駆動による移動運用可能な無線機は有名メーカーでは皆無に近かっただけに有効性を認めた人も多かったであろう。(そもそもピコ15そのものがハンディHF機として稀有な存在だったが)
尚、ピコトラ本体装着に関するPR-2とPR-3Sの違いは本体側のネジ位置が違う点と、MX-2/6Z/10Z/15に存在するPTTスイッチ近くのボリューム端子用の切り欠きの2点だろう。(つまりPR-3Sに上記の2点を考慮した加工を施せばMX-2/6Z/10Z/15が装着可能になる。)
但し、穴あけや切り欠き加工に関してはステンレス加工用の歯を持ったドリル・リューターが最低でも必要だと思われるし、程々の出力を持った電動工具が無いと苦労するだろう。
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MX-15/PL-15を装着して正面から
MX-2/MX-6Zでは専用リニアアンプと組み合わせて画像のような状態になる。
MX-15ではVX-15を組み合わせなければ同様の構成となる。
この状態で正面側のM型コネクタに同軸ケーブルを接続すると正直なところ操作しづらい気がするのは私だけだろうか?
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右側面(PTTスイッチ側)
ピコトラスーパーシリーズ用のラック PR-3Sと比べて大きく違うのがPTTスイッチ側の側面だろう。
MX-2/6Z/10Z/15は本体横に電源スイッチ兼ボリュームが配置されており、ラックに組むときはボリューム用に長方形の穴を開ける必要がある。
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背面横の外部DCジャック
入手したPR-2は配線もオリジナルかどうか判別できない状態だったが、側面後方に外部DCジャックが配置されているので、リニアアンプの電源線をこのDCジャックに配線するのがミズホ通信が意図したものだろう。(本体電源はリニアアンプから出ているのでDCジャックへの配線は不要)
但し、DCジャックがピコトラ本体と同じパーツを使用しているみたいなので、リニアアンプ向けに13.8Vが加圧されたDCプラグをピコトラ本体に差し込んでしまうトラブルを必ず一人は発生させていたはずだ。
充電機構を持たないMX-2/6Z/10Z/15には不要な電圧のはず。
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天板を外して電池ボックスを見た状態
PR-2上部に内蔵されている電池ボックス。
単二電池を9本格納し、リニアアンプも含めて丸ごと移動することが出来るようになっている。
PR-3Sと比べてしまうとデザイン的に頭部分に不要なボリュームを感じてしまう。
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MX-15/PL-15/VX-15を装着して背面から
内蔵電池ボックスや各機器の背面が丸見えとなる。
背面両横にはビスを通す穴があることから化粧版が設定されていたのだろうが、入手したPR-2には化粧板に相当する部品は無かった。
背面全てを塞いでしまう化粧板の存在がるならば、前面に出ているM型コネクタの存在や、横に配置された外部DC電源ジャックの存在も納得いく。
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正面部のM型コネクタのみのパーツ
ミズホ通信純正の機器を組み合わせる条件下ではVX-15を格納する時のみ取り外すM型コネクタパーツ。
PR-3Sに付属の軽いアルミ板で出来た化粧版と違い素材はPR-2本体と同じ強度を持った金属になる。
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MX-15/PL-15/VX-15を装着して前面から
MX-15の場合のみに構成可能なVX-15も組み合わせた状態。
VXO方式ではあるが15mバンド内をフルにカバーすることが出来る機器構成、そしてバッテリー駆動。
この組み合わせはピコシリーズとして高田OMが思い描いた一つのスタイルになるのだろうか?
(試作機レベルでは15mバンドをフルカバーするVFOも存在したので、周辺機器と組み合わせることによって固定器相当の基本スペックを持つシステムも考えていたのは間違いないと思う)
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