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ミズホ通信 ポケットダイポールアンテナ PAN-62

MIZUHO Pocket Dipole Antenna PAN-62

MIZUHO PAN-62

MIZUHO PAN-62 PAN-62は通称「ポケットダイポール」と呼ばれるミズホ通信の隠れたヒット製品だ。
構成部品は非常にシンプルで、広域帯バランx1、ロッドアンテナx2というたった3点のパーツになる。
組み立てはバランの両脇に出ているボルトの溝にロッドアンテナを回して装着し、ロッドアンテナを必要な長さまで伸ばしてバランを何かに固定させるだけだ。
10段式のロッドアンテナは縮めた状態では15cmほどの長さとなり、バラン本体の重量とあわせても240gと非常に軽く、そしてコンパクトな収納が可能となっており、それが「ポケットダイポール」と呼ばれる理由になっている。
(実際には同軸ケーブルとバランを固定させるためのヒモが別途必要となる)

MIZUHO PAN-62 対応周波数は50MHz帯と144MHz帯と明記され、 50MHz帯で使用するときは左右のロッドアンテナを最大の1.5mまで伸ばし、144MHz帯では48cm程度まで縮めて運用することになっている。
しかし、それは付属のロッドアンテナを使用した場合の対応周波数であり、各周波数に対応したワイヤー2本を別に用意すればHF帯への対応も可能となっている。(21MHz-3.4m/14MHz-5m/7MHz-10m/3.5MHz-20m/1本あたりの長さ)
構造的に大出力へ対応しているとは言い難く10W程度までが無難な線だと思われるが、ミズホ通信の公式サイトにも製品付属の取扱説明書にも耐出力が明記されていないので不明だ。

 設営方法はバランをポールや木の枝など地上高を稼ぐことが出来る何かに固定するだけでOKという手軽な内容となり、軽量故にしっかりとした固定は必要としないので移動運用などで設営を行うときは1本のヒモがあれば十分。
同軸ケーブルに5D-2Vあたりを使用すれば木の枝などから吊るした時には多少の風でフラフラするものの、同軸ケーブルを回すことでアンテナもローテートさせることが可能だ。(このような運用方法は大昔に初歩のラジオで連載されていたカラーページのハム講座に「テモテーター」とオヤヂギャグでも紹介されていた…)
この場合、同軸ケーブルの地面側に大き目の石などを置くとアンテナの固定に一役買ってくれる。

MIZUHO PAN-62 このPAN-62は私が50MHz帯で移動運用する時の定番アンテナでもあるが、キャンプ用テントのタープに使うポール(1.5mタイプ)をペグダウンしたロープで自立させて地上高を稼ぐか、一時的に看板など建造物にポールを縛り付けて地上高を稼ぐなどしている。
左の画像では落ちていた枯れ木の枝を看板の支柱にベルクロで仮固定させてもらい、PAN-62を高く持ち上げている。
もっと手軽にPAN-62を設営したい場合には、重量が増えてしまうがカメラ用の三脚を使用することで自立可能となる。
この三脚を使う方法は山岳移動などペグダウン不可能な場所でも使える方法として昔から定番となっているので最も手軽な方法の一つだろう。
木の枝などから吊るす方法が取扱説明書にも記載されているが、場合によっては木の枝を傷つけてしまう可能性もあるので私は極力避けている。もし、野外運用で木の枝から吊るすなど生きている木を利用するのであれば、枝を傷つけないように柔らかい材質の細いロープなどを使うなどの配慮が望ましい。
また、国定公園など保護地区となっている場所では生きている樹木の枝さえも利用するのは控え、自立する道具を持参して設営するのが望ましいだろう。
これに関しては神経質すぎると思われる人がいるかもしれないが国定公園などは管理が厳しく無線運用禁止の場所も多く、場所の占拠や騒音など他の理由が主な要因であるものの、アンテナの設営などで木々が損傷してしまったという事実が存在するのも理由の一つになっている場所があるようなので配慮をしたほうがいい…という意味で捉えて欲しい。

ちなみに、私はPAN-62を利用した運用時にはキャンプ用のテントを固定する張り綱用ロープの細い製品を流用している。
ロープの中心部はナイロンなどが織り交ぜられているのだが外周は柔らかい布系の生地で覆われて木の枝に対しダメージを極力減らすことが出来、直径も3mm程度なのでロープの全長が10m程度の長さになっても大きな荷物にもならない。
私はたまたま手元にあったバイクキャンプ用の装備から転用したが、人によっては凧糸だったりするので自分が使いやすい(入手しやすい)ものを用意すればいいだろう。

 気になる性能だが、所詮は1/2λダイポールゆえに利得は0dBd(2.14dBi)になるはずなのでHB9CVやヘンテナなどの高利得アンテナと比べるのは無理があるものの、短縮コイルを使用したコンパクトなハンディ用ホイップアンテナ(AN-50など)などと比べた場合には格段に飛び/耳が良くなることを体感できる。
SWRの調整に関しては50MHzの場合、GND側のエレメントを1段〜2段程度縮めることで1.5以下に抑えられ、実際には給電点近くで計測しなければならないので正確な数値ではないが全長3mの3D-2Vで接続し、地上高を2m程度確保した環境では1.1まで数値は下がっている。(設置の関係で無線機側にSWR計を接続した計測)
この場合、アンテナチューナーなどの外部機器を使用することなくアンテナの調整のみとなるので荷物が減るというメリットも持ち合わせている。

 2エレ以上のHB9CVや宇田八木アンテナなどをタイヤ固定のポールで設営可能な四輪派の人や、山頂担ぎ上げな人達からすれば緊急時用のサブアンテナ程度にしかならないだろうが、オートバイや徒歩で他の事も楽しみながら移動する人には持ち運びできる設備が限られてしまうケースが多く非常にコンパクトなPAN-62が活きてくる。
21/28MHz帯であれば地上高を確保する面倒はあるものの少々のヒモとコードで運用可能となるのでたいした荷物にもならないと思うので運用周波数も増やせるはずだ
この品は2007年上旬の時点まで現行発売製品となっていたが、2007年6月1日にミズホ通信の公式ホームページにて1.5mのロッドアンテナがメーカー生産中止となった為に販売終了という告知が発表された。
非常に残念ではあるが流通在庫も僅かだと思われるので、少しでも興味がある人は手に入れておいたほうがいいだろう。

−2007/08追記−
 一度は上記の理由(ロッドアンテナ生産中止)で販売を終了したPAN-62だが、ミズホ通信の高田社長の尽力により少量生産という形で再生産開始の告知が2007年8月1日にミズホ通信ホームページにて発表された。
再生産版の型番はPAN-62sと末尾に「S」が付き、価格も6,090円(税込)と5,200円から若干の改定が行われたが入手可能な状態に戻ってくれたのは非常に嬉しい。
移動先で大型のアンテナを上げることが出来る四輪車な人達からすればオモチャのようなアンテナかもしれいないが、徒歩もしくはバイクなど荷物に制限がある人達にとっては貴重なアンテナなので、今後も末永く販売できることを願う。


[ PAN-62 取扱説明書 ]

ミズホ通信のポケットダイポールアンテナ PAN-62 の取扱説明書です。
掲載にあたってはミズホ通信(株)の高田OMより承諾を得ております。

利用に関して当方では責任を負いませんし、また、ミズホ通信に迷惑のかからないようお願いします。
 また、取り扱い説明書およびファイルの著作権はミズホ通信にあります。
 業務利用や利益を伴うなど個人の趣味の範疇を超える利用に関してはミズホ通信へ確認を取るようお願いします。

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model
High resolution Low resolution

PAN-62 pan-62_h.pdf
514KB
pan-62_l.pdf
204KB


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