ピコトラシリーズでもっともトップバンドに近い3.5MHz帯をカバーするMX-3.5SはMX-7S同様に25KHzのVXO可変幅を持つ機種だが、終段トランジスタから基本構成まで50MHz帯のMX-6Sと大きな違いは無いことに正直驚く。 初期実装のクリスタルは3.525〜3.550MHzをカバーする3.5X25SがAチャンネルに装備されており、CWを行いたければ3.500〜3.525MHzをカバーする3.5X00Sを、バンド幅上限まで電話で運用したければ3.550〜3.575MHzをカバーする3.5X50SをBチャンネルに装備することになる。ミズホ通信で用意したクリスタルは3.500〜3.575MHz帯のみをカバーするものが設定されたのみで、3.791〜3.805MHzのいわゆる3.8MHz帯と3.747MHz〜3.754MHzはカバーされていない。(VXO用水晶を独自に用意すれば運用は可能と思われるが、実際に行った人の話を聞いたことはない。) 80mという波長のために無線機本体の性能よりは、どのようなアンテナを用意できるかがカギとなるバンドとなり、2Wという出力が使えるか使えないかの判断は人それぞれとなるだろう。(大昔の3.5MHz帯ならばSSBで2Wもあればロングワイヤーでも楽しめたと思うが…) このピコ3.5Sは入手時に専用リニアアンプPL-3.5Sと短縮ホイップアンテナAN-3.5とのセットだったが、はっきり言って私の環境とスキルでは満足な交信実績を出すことが出来ないであろう周波数帯なので本当に「コレクション」と化してしまっている。クリスタルは3.5X25Sと3.5X50Sが実装されていたので前オーナーは電話通信を前提に持っていたのだろう。
[ MX-3.5S 取扱説明書 ] ミズホ通信のCW/SSBトランシーバーMX-3.5S(ピコ3.5S)の取り扱い説明書です。 利用に関して当方では責任を負いませんし、また、ミズホ通信に迷惑のかからないようお願いします。 ・PDFファイルの閲覧にはアドビ社のAcrobat Reader(R) Ver.5.0以降のソフトウェアなどが別途必要です。
ピコ3.5S本体のみでJARL認定を受ける場合 (取り扱い説明書より抜粋、電波形式などは旧表記のままとなる)
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◇「無線局事項書及び工事設計書」の記入例(表面一部) |
MX-3.5Sのみ の場合 |
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MX-3.5S+PL-3.5S の場合 |
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緑字:電話モードのみで申請する場合に記入。 赤字:電信モードも申請する場合に記入。 青字:電話/電信モード共通の記入項目。 |
◇「無線局事項書及び工事設計書」の記入例(裏面) |
装置の区別 | 変更の種別 | 技術基準適合証明番号 | 発射可能な電波の形式 及び周波数の範囲 |
変調方式 | 終段管 | 定格出力 (W) |
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名称個数 | 電圧 | |||||||||
第 送信機 | □取替 □増設 □撤去 □変更 |
(ここは空欄のまま) | J3E , A1A{3.5MHz帯 | 平衡変調 | 2SC1947 x1 2SC1945 x1 |
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2W 10W |
[装置の区別][変更の種別]には申請時に最適な内容を記入。 緑字:電話モードのみで申請する場合に記入。 赤字:電信モードも申請する場合に追加記入。 青字:リニアアンプ PLシリーズと組み合わせて申請する時に追加記入、自作リニアの場合などは要変更。 注1:技適機種ではないので、TSS株式会社への保証願い申請が別途必要。 |
◇「保証願書」の記入例 |
送信機番号 | 変更の種別 | 送信機の名称等 | 接続するブースタの名称等 (ブースタ等を使用している場合のみ) |
附属装置の有無 (有る場合のみレ印) |
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取替 | 増設 | 変更 | ||||
第◎送信機 | □ | □ | □ | MX-3.5S | PL-3.5S | □ 有 |
[変更の種別]には申請時に最適な内容を記入。 緑字:MX-3.5Sのみで申請する場合に記入。 青字:リニアアンプ PL-3.5Sと組み合わせて申請する時に追加記入、自作リニアの場合などは要変更。 |
【資料】MX-3.5SのVXO用オプション水晶 ピコトラに装着されているクリスタルは周波数しか書いていないものがある。
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