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ミズホ通信 ピコ2R

MIZUHO 2m AO-10 RECEIVER MX-2R

MIZUHO MX-2R

MIZUHO MX-2R MX-2Rはピコシリーズの中でも特に異色な性格として設計され、AMSAT-10(OSCAR-10またはAO-10と呼ぶ場合もある)のダウンリンク信号を受信するためだけの受信専用機種となる。ベースとなったのはMX-2と思われるが詳細は不明、WEB検索を行っても情報がまったく出てこない。

 AMSAT-10とは1983年6月に米国の団体であるAMSATによって打ち上げられたアマチュア無線衛星。2つの通信モードを持ち、Bモードはアップリング430MHz(70cm)/ダウンリンク145MHz(2m)となり、ビーコンは145.810MHzがジェネラルビーコン(CW)、145.987MHzがエンジニアリングビーコン(PSK)となり、帯域は150KHzに50Wの出力となる。もう一つのLモードはアップリング1.2GHz(23cm)/ダウンリンク430MHz(70cm)となり、ビーコンは436.04MHzがジェネラルビーコン(CW)、436.02MHzがエンジニアリングビーコン(PSK)となり、帯域は800KHzに35Wの出力となる。
 実際の運用方法としては別に430MHz帯/SSB(USB)の電波が発射可能なアップリンク専用送信機を用意し、受信側にMX-2Rを使う2way方式となる。しかも、静止していない高軌道衛星の場合はドップラー効果により周波数が変化するので、受信側は常に周波数調整に気を使うという忙しい状態になってしまう。
 AO-10が打ち上げられた1983年はポータブル機種でV/UHF帯のSSB対応機種がほとんど無いことからMX-2Rを販売するメリットもあったのかと推測される。(現在はFT-817をはじめ、小型・軽量でバッテリー駆動可能な機種があるので受信専用機が必要とされることは無かったかもしれない)
2003年の情報では制御系の故障に加え、二次バッテリーも劣化している為に太陽電池が効率よく電力を供給できる場合に限り、Bモードが動作する苦しい状況になっている。

 肝心のMX-2Rについて見ていくと外見的にはMX-2と同じに見えるが、じっくり見るとMX-2から大きく変更されていることがすぐにわかる。
・周波数調節ダイヤル:50KHzレンジ→100KHzレンジ
・MODE SW:SSB/CW→DX/ATT(-10db)
・BAND SW:A/B-ch→800/900(KHz)
・MIC : MIC → RIT

周波数調節レンジ以外で一番大きな変化点はMIC端子が消えたことと、MODE SWがアッテネータスイッチになっていることだろうか。BAND SWは純粋にAMSAT-10の受信に割り切った仕様となっているのでMX-2のように抜き差しを考えてはいないものの、基本的にはMX-2の仕様のままと推測される。

MIZUHO MX-2R 中を見ると基本的にはMX-2がベースとなっていることがわかるものの、アンテナ用のBNCコネクタ下に見慣れない基板が1枚ある。勝手な想像ではMX-2に無く、MX-2Rにある機能ということでアッテネータもしくはRITのための基板かと思われるが、回路図も情報も無いので想像の域を出ない。
受信専用ということでコンデンサマイクは当然のごとく装備しておらず、PTT-SWも機能はしていない。
そのほかの部分については簡単な目視レベルでMX-2との差を見つけられない。
MX-2でA/Bと2ch装備可能な水晶についてもベースがMX-2のままなので同じソケットがあり、推奨が2つ装着されている。(この水晶をMX-2に使用できるかどうかは未確認)
実装されている水晶の周波数は以下の通りとなる。

型番 水晶周波数 受信周波数
2RX-A 15.35189 MHz 145.900 - 146.000 MHz
2RX-B 15.34072 MHz 145.800 - 145.900 MHz



MIZUHO MX-2R トップパネル

トップパネルのパーツデザインはMX-2系と同じだが、周波数調節ツマミの印刷が大きく違い、MODE SWはATT SWになりMIC端子はRIT端子に変更されている。

MIZUHO MX-2R ボトムパネル

ボトムパネルはMX-2/MX-6Z/10Zと同じものとなり、ピコシリーズでは一番シンプルなボトムパネルだ。
新しくシールを作らなかったせいか、外部電源ジャックと外部キージャックという説明になるが、送信できないのに外部キーは装備しても仕方がないと思うが、このモノラルジャックには”何か ”が配線されている。
取説が無いので詳細は不明。

MIZUHO MX-2R フロントパネル側から見た全形

この角度から見る限りはMX-2/MX-6Z/MX-10Zと比較して特に大きな差は見つけられない。

MIZUHO MX-2R 電池ボックス部

内蔵電池は単4電池を6本使用するMX-2/MX-6Z/10Zと同じ専用の電池ボックスが標準装備となる。
MX-2/6Zなどには006Pスナップがオプション設定のニッカド電池用に添付されていたが、MX-2Rではどうだったのか不明。

MIZUHO MX-2R PTT/ボリューム部

一応はPTTスイッチが装備されているが、機能はしない。
電源スイッチ兼ボリュームについてはMX-2系と全く同じだ。

MIZUHO MX-2R ジェネレータ部とトランスバーター部

SSBジェネレータ部についてはMX-2/MX-6Z/10Zと同じと思われるが、トランスバーター?部については前出の通り、MX-2には存在しない基板が亀の子状態で追加されている。

MIZUHO MX-2R スピーカーケース側

部品自体はMX-2/MX-6Z/MX-10Zと同じだが、受信専用機のためにコンデンサマイクは最初から装備されていない。


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