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ミズホ通信 ピコ2

MIZUHO 2m SSB/CW QRP TRANSCEIVER MX-2

MIZUHO MX-2

MIZUHO MX-2 MX-2は初代ピコトラのMX-6が発売された翌年の1982年4月にピコラインシリーズ第2弾として発売された144MHz帯の200mWトランシーバーだ。MX-6同様に完成品のMX-2(B)と半完成品のMX-2(K)があり、半完成品のMX-2(K)は基板部分が調整済みとなので購入者はスイッチなどへの配線を行うだけという内容だった。

 MX-2はピコラインの中では第2世代とも言うべきモデルとなっており、外見的にはMX-6がホイップアンテナを内蔵していることから外部アンテナ端子には3.5φモノラルジャックを採用していたが、MX-2では内蔵ホイップアンテナをやめてBNCコネクタのみとなっている。その為、外部アンテナ端子のスペースに余裕が出来たので外部マイク端子が標準装備となった。(ピコ6でも底面部のオプション端子に外部マイクを接続することは可能だったが、ユーザー側で部品を調達して配線する必要があった)
また、ノイズブランカが搭載されたことにより周波数調節ツマミの下へノイズブランカのON/OFFを行うスライドスイッチが増設され、周波数調節ツマミも形状が円形へ変更となった。どちらかと言うと周波数調節ツマミが円形になったことで細かい調節がやりやすくなったことが最大の変更かもしれない。(正直なところMX-6のツマミは微調節するには厳しいと感じる)
性能的には外部マイク端子からのリモートPTTが可能となったことが大きい。MX-6では外部マイクを接続してもPTT操作は本体のスイッチで行わなければならなかったが、MX-2では2つのトランジスタによるPTT切り替えの回路が搭載され、今では普通の操作である外部マイクからのPTT操作が簡単になった。性能面ではその他に前出のノイズブランカ搭載があり、パルス性のノイズに効果があるとなっている。
性能とは離れるのだが、使い勝手の面で電池交換が行いやすくなった点も大きい。MX-6では電池の交換を行うのにボディサイドのネジを4本とも外すか弛める必要があったが、MX-2では電池部分のケースが独立してパンチングの溝を利用して固定する構造にな、背面ケース全体を外すことなく電池部分のみを取り外すことができるようになった。欠点としてはカバーがネジ止めではなくなったので電池カバーのみを紛失するケースも多かったらしい。

 MX-2が発売された1982年には八重洲無線のFT-290など大手無線メーカーの製品が販売されていたが、サイズは弁当箱サイズで「ハンディ」というには少々大きかった。(それでも広告には「ハンディ」と出すメーカーもあった気がする)ミズホ通信でもSB-2Mなどのポータブル機は発売したことがあったがMX-2のような製品は(メーカー製品として)もっとも小型なサイズということもあり、当時は雑誌でも大きく取り上げられた。
当時は430MHzがまだ新しいバンドとして捉えられ無線機本体の価格などもこなれていないこともあり、運用者数が多く機器の価格も手軽だった144MHz帯が初心者バンドの一つとして取り上げられており、FM波しか出せないハンディトランシーバーでの開局を勧める雑誌も多かった。その144MHz帯FMのみの環境から一歩踏み出すためにDXを狙いやすいSSB(USB)への移行手段の一つとしてMX-2を扱う記事も多かったと聞く。(当時は本格的にやるなら固定機+ビームアンテナで21MHzか7MHz、手軽に始めるなら144MHz/FMハンディ、移動するならポータブル機で50MHz/SSBと言われていた)

しかし、1982年にMX-2を発売してからミズホ通信はHF/VHF帯のみに新製品を展開し、1994年にMX-2Fをリリースするまで12年の時間が経過していた。その間、MX-2を使う人はどちらかというとアマチュア無線を始めたばかりのビギナーよりは移動運用に長けたOM達であったとも聞いている。

オプションとしては4WリニアアンプのPL-2(終段はPL-6と同じ2SC1971x1、13.8V/8W)がピコ2専用としてリリースされている。



MIZUHO MX-2 トップパネル

パネル下の波長と機種名表記以外はMX-6Z/10Zと同じ。
よって操作方法なども全く同じモノとなる。

MIZUHO MX-2 ボトムパネル

ボトムパネルもMX-6Z/10Zと同じとなり、ピコシリーズでは一番シンプルなボトムパネルだ。
内容は外部電源ジャックと外部キージャックの2つだけとなる。

MIZUHO MX-2 背面パネルを開けた状態

電池ボックス部のカバーもピコ6Z/10Zと同じで紛失しやすいものが採用されている。
見えている基板はトランスバーター部となる。

MIZUHO MX-2 フロントパネルを開けた状態

見えている基板はSSBジェネレータ基板。
VXO用水晶が2個装着可能だが、このピコ2は標準装備の1個だけが見える。
音声ボリュームは電源スイッチも兼ねており、PTTスイッチはMX-6Z/10Z同様にプッシュロック式となっている。

MIZUHO MX-2 電池ボックス部

内蔵電池は単4電池を6本使用するMX-6Z/10Zと同じ専用の電池ボックスが標準装備のはずだが、このピコ2は006Pスナップに変更されている。
006Pスナップはオプション設定のニッカド電池用に製品へ添付されていたことから見かけることが多いと聞いている。

MIZUHO MX-2 ジェネレータ部とトランスバーター部

SSBジェネレータ部についてはMX-6Z/10Zと同じと思われるが、トランスバーター部についてはMX-10Zで使用されていないパターンに部品が装着されている。

MIZUHO MX-2 MX-10Z/MX-6Zと並べた状態

画像上の左側がMX-10Z、右側がMX-6Z。
一目見ただけでは判別できない。
外装に関してはフロントパネル部の文字以外は全く一緒となる。


[ MX-2 取扱説明書 ]

ミズホ通信のCW/SSBトランシーバーMX-2(ピコ2)の取り扱い説明書です。
掲載にあたってはミズホ通信(株)の高田OMより承諾を得ております。

利用に関して当方では責任を負いませんし、また、ミズホ通信に迷惑のかからないようお願いします。
 また、取り扱い説明書およびファイルの著作権はミズホ通信にあります。
 業務利用や利益を伴うなど個人の趣味の範疇を超える利用に関してはミズホ通信へ確認を取るようお願いします。

 ・PDFファイルの閲覧にはアドビ社のAcrobat Reader(R) Ver.5.0以降のソフトウェアなどが別途必要です。
 ・ファイルは高解像度と低解像度の2種類を用意してあります。
 ・操作の確認やPC画面で閲覧のみの場合には低解像度版
(Low resolution)で十分です。
  印刷や回路図の詳細を調べる等の場合には高解像度版
(High resolution)をお使い下さい。


model
High resolution Low resolution

MX-2 mx-2_h.pdf
9,366KB
mx-2_l.pdf
1,454KB


■MX-2 定格

[一般仕様]
周波数 144MHz帯
電波形式 SSB(USB), CW
使用半導体 4 IC, 9 TR, 7 FET, 25 Di
電源電圧 DC 9V
  〃   単4 (UM-4) 6本 もしくは006P電池1本
消費電流 RX…無信号時 40mA
TX…最  大 160mA
周波数安定度 初期変動±500Hz
その後100Hz/30分(25℃)
空中線インピーダンス 50Ω
外形寸法 (W)66 x (H)39 x (D)142mm
重量 490g (電池含む)

[送信部]
最大出力 200mW
不要輻射 40dB以下
変調方式 平衡変調
搬送波抑圧比 40dB以上
側波帯 〃   〃

[受信部]
受信方式 シングルスーパー
感  度 0.5μV入力時 S/N 15dB
中間周波数 7.8MHz

[局発部]
発振方式 可変水晶発振
出力周波数 136MHz帯


【参考】2005年より変更された申請書式の記入例
 ※自分が解釈した内容で書いているので、間違いが有った場合にはご容赦下さい。

◇「無線局事項書及び工事設計書」の記入例(表面一部)
MX-2のみ
の場合
13 電波の形式並び
 に希望する周波数
 及び空中線電力
希望する周波数 電波の形式 空中線電力
50M
3VA 4VA 3VF 4VF
W
144M
3VA 4VA 3VF 4VF
0.2 W
430M
3VA 4VA 3VF 4VF
W
MX-2+PL-2
の場合
13 電波の形式並び
 に希望する周波数
 及び空中線電力
希望する周波数 電波の形式 空中線電力
50M
3VA 4VA 3VF 4VF
W
144M
3VA 4VA 3VF 4VF
4 W
430M
3VA 4VA 3VF 4VF
W
緑字:電話モードのみで申請する場合に記入。
赤字:電信モードも申請する場合に記入。
青字:電話/電信モード共通の記入項目。


◇「無線局事項書及び工事設計書」の記入例(裏面)
装置の区別 変更の種別 技術基準適合証明番号 発射可能な電波の形式
及び周波数の範囲
変調方式 終段管 定格出力
(W)
名称個数 電圧
第 送信機 □取替 □増設
□撤去 □変更
(ここは空欄のまま) J3E , A1A{144MHz帯 平衡変調 2SC2053 x1
2SC1971 x1
8.5 V
13.8
0.2W
4W
[装置の区別][変更の種別]には申請時に最適な内容を記入。
緑字:電話モードのみで申請する場合に記入。
赤字:電信モードも申請する場合に追加記入。
青字:リニアアンプ PLシリーズと組み合わせて申請する時に追加記入、自作リニアの場合などは要変更。

注1:技適機種ではないので、TSS株式会社への保証願い申請が別途必要。
注2:リニアアンプPLシリーズはJARL登録されていないので工事設計書に送信機系統図の添付が必要。



◇「保証願書」の記入例
送信機番号 変更の種別 送信機の名称等 接続するブースタの名称等
(ブースタ等を使用している場合のみ)
附属装置の有無
(有る場合のみレ印)
取替 増設 変更
第◎送信機 MX-2 PL-2  □ 有
[変更の種別]には申請時に最適な内容を記入。
緑字:MX-2のみで申請する場合に記入。
青字:リニアアンプ PL-2と組み合わせて申請する時に追加記入、自作リニアの場合などは要変更。



【資料】MX-2のVXO用オプション水晶

ピコトラに装着されているクリスタルは周波数しか書いていないものがある。
実際に使用してみれば周波数がわかるとは思うが、参考資料として手持ちの水晶の周波数を書いておく。
(斜体)表記の周波数は計算式から割り出したものとなるので参考情報として扱って欲しい。

品 番 送 受 信 周 波 数 X'talの周波数 備  考
2X-00 144.000 - 144.050 MHz 15.13472 MHz  
2X-05 144.050 - 144.100 MHz 15.14027 MHz  
2X-10 144.100 - 144.150 MHz (15.14583 MHz)  
2X-15 144.150 - 144.200 MHz 15.15138 MHz)  
2X-20 144.200 - 144.250 MHz 15.15694 MHz MX-2標準装備周波数
2X-25 144.250 - 144.300 MHz 15.16250 MHz  
2X-30 144.300 - 144.350 MHz (15.16805 MHz)  
2X-35 144.350 - 144.400 MHz (15.17361MHz)  
2X-40 144.400 - 144.450 MHz 15.17916 MHz  
2X-45 144.450 - 144.500 MHz 15.18472 MHz  


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