MX-14SはHF帯のピコトラスーパーシリーズが3.5S/7S/21S/28S/と展開された後の1987年5月に発売された。 送信出力はHF帯ピコスーパーシリーズ共通のスペックである2W、VXO周波数可変幅は50KHzとなり、10MHz帯が存在しないHF帯ピコスーパーシリーズでは50KHz可変幅の最低周波数機種ともなる。(MX-14Sの周波数より下の機種は7MHz帯のMX-7S、3.5MHz帯のMX-3.5Sのみになる) VXO水晶は14.000?14.350を50KHzでカバーし、14X-00Sから14X-30Sまで7個の水晶で切り替え、出荷時には14.200?14.250MHzまでをカバーする14X-20SのみがA-chに付属する。 VXO水晶以外のオプションとしては出力を2Wから10WにアップさせるリニアアンプとしてPL-14SがMX-14S専用に発売された。 他にもMX-14S専用としては近距離用アンテナとしてサガ電子工業のHFRODシリーズがAN-14という名前でOEM供給された。 MX-14Sにも販売時に完成品とキットの2種類が存在し、キットにはノイズブランカキットNB-2Sが装備されていなかったのでキット版を購入したユーザーはオプションとして別に購入する必要があった。 外部スピーカーマイクMS-1/MS-2、合体ラックPR-3S、CW用セミブレークイン・サイドトーンユニットCW-2S、小物パックPM-1、外部電源PS-2などの共通オプションは当然だがMX-14Sにも使用できる。 14MHz帯という2級アマチュア無線技師の資格を必要とする条件が限定された商品ではあったが、日本国内・国外を問わず上級資格を持つ無線家に歓迎された。 歓迎された理由には14MHz帯が頻繁にDX運用される周波数帯ということと、やはり過去に例を見ないバッテリー駆動可能な14MHz帯SSB/CWハンディトランシーバーだったという珍しさからだろう。 市場にはFT-817やIC-703などのバッテリー駆動可能なオールバンダーポータブル機が存在するにもかかわらず、ピコトランシーバーの生産が終了されてから数年経過した2007年現在でも中古品に関わらず引き合いは多い。
[ MX-14S 取扱説明書 ] ミズホ通信のCW/SSBトランシーバーMX-14S(ピコ14S)の取扱説明書です。 利用に関して当方では責任を負いませんし、また、ミズホ通信に迷惑のかからないようお願いします。 ・PDFファイルの閲覧にはアドビ社のAcrobat Reader(R) Ver.5.0以降のソフトウェアなどが別途必要です。
【資料】開局申請について 取説には開局申請として以下の内容が記されている。
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◇「無線局事項書及び工事設計書」の記入例(表面一部) |
MX-14Sのみ の場合 |
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MX-14S+PL-14S の場合 |
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◇「無線局事項書及び工事設計書」の記入例(裏面) |
装置の区別 | 変更の種別 | 技術基準適合証明番号 | 発射可能な電波の形式 及び周波数の範囲 |
変調方式 | 終段管 | 定格出力 (W) |
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名称個数 | 電圧 | |||||||||
第 送信機 | □取替 □増設 □撤去 □変更 |
(ここは空欄のまま) | J3E , A1A{14MHz帯 | 平衡変調 | 2SC1947 x1 2SC1945 x1 |
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2W 10W |
[装置の区別][変更の種別]には申請時に最適な内容を記入。 緑字:MX-14Sのみで申請する場合に記入。 青字:リニアアンプ PLシリーズと組み合わせて申請する時に追加記入、自作リニアの場合などは要変更。 注1:技適機種ではないので、TSS株式会社への保証願い申請が別途必要。 |
◇「保証願書」の記入例 |
送信機番号 | 変更の種別 | 送信機の名称等 | 接続するブースタの名称等 (ブースタ等を使用している場合のみ) |
附属装置の有無 (有る場合のみレ印) |
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取替 | 増設 | 変更 | ||||
第◎送信機 | □ | □ | □ | MX-14S | PL-14S | □ 有 |
[変更の種別]には申請時に最適な内容を記入。 緑字:MX-14Sのみで申請する場合に記入。 青字:リニアアンプ PL-14Sと組み合わせて申請する時に追加記入、自作リニアの場合などは要変更。 |
【資料】MX-14SのVXO用オプション水晶 ピコトラに装着されているクリスタルは周波数しか書いていないものがある。
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