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ミズホ通信 CWナローフィルター CF-800

MIZUHO CW Narrow Filter [ CF-800 ]

MIZUHO CF-800

MIZUHO CF-800 ピコシリーズに標準で装備されているフィルタはSSBによる音声交信を前提としたタイプだが、7MHzなど混雑し易いバンドでCW運用を行うと近隣のCW音が聞こえてしまうなど不満となることも少なくないのが現実だ。
そこでミズホ通信がピコトラ用に用意したのが帯域をCW向けに狭めたナロータイプフィルタのオプションパーツ CF-800(型番:11F-08D)となり、左の図のように帯域をSSB向けのものからCW向けに800Hzとなっている。
パーツ構成はナロータイプクリスタルフィルタ(1)、キャリアポイント調整用のセラミックコンデンサ(1)の2点となる。
私が入手したCF-800は既にピコトラ本体に組み込まれたものだったが前オーナーが購入時に発行された領収書を残しており日付は1989年2月、手元の広告などがクリップされた資料で1985年の秋頃にはまだCF-800の記述が無いところを見るとCF-800の発売は1986年〜89年1月までの間ということになるだろう。(89年1月上旬に年号が平成になっているので、昭和の時代に出たオプション…ということになる)
1992年のJimブランドによる再販売時には既にCF-800の文字が確認できなくなっているので、オプションフィルタとして販売されたのはピコシリーズの長い歴史からすれば最長でも僅か5年程度だったのだろう、ちなみに価格は4千円(消費税導入前)であった。

MIZUHO CF-800 クリスタルフィルタは純正のSSB用フィルタと比べた場合にシールの型番のみが違うだけとなる。
純正のSSB用は「Pico-Tra / ミズホ」のブランド名などが印刷されているが、CF-800はフィルタ製造元の「KYOWA」が印刷されているのみで、あとは型番である「11F-08D」に周波数が印刷されているだけだ。
フィルタのどこにも「Narrow」など狭域フィルタと直感的にわかるような文字が無いことから、オークションや中古ショップの店頭などで入手したピコトラ本体に偶然組み込まれていた場合には判別するのが難しいかもしれない。
CW用ナローフィルターを使用した経験がある人ならば、ホワイトノイズの音域が詰まったような独特の音を聞いてCW向け狭域フィルタが組み込まれていると予想出来るかもしれないが、全く経験が無い人である場合には音声の送受信に難ありと勘違いする可能性も否定できない。
余談だが、KYOWAのシールはJim時代のピコトラでも使用されている。
しかし、JimブランドからMIZUHOブランドに戻ったシルバーメタリックボディのピコトラではクリスタルフィルターのシールは再び「Pico-Tra/MIZUHO」に戻っている。
CF-800はCW運用だけを行う人であれば嬉しいオプションとなるのだが、CW/SSB両方も行う人からすれば悩ましいオプションであったのかもしれない。
その理由は、ピコトラ本体にはフィルタを2個同時に装着できる余裕は基板に無く、このオプションフィルタへ交換してしまうと狭域フィルタ専用、つまりCW専用ピコとなってしまうのでSSBによる音声交信は無理矢理に行うことは可能だろうが声が聞き取りづらい状況に変わりなく、相手にも迷惑をかけてしまうことがあるので事実上無理ということになってしまう。


【参考】各世代毎のSSBフィルター比較

MIZUHO XF MIZUHO XF
初期MIZUHOピコ
(灰色ボディ)
Jim
(濃灰色ボディ)

MIZUHO XF MIZUHO XF
後期MIZUHOブランド
(シルバーボディ)
最後期MIZUHOブランド
(シルバーボディ)

MIZUHO CF-800 取説にも記述してある通りフィルターを装着した後は調整が必要となるが、調整箇所のキャリアポイントを合わせるには周波数カウンターが必要となるので、いわゆる「ポン付け」ではない。
また、フィルターの交換には電池ホルダーを外さなければならないが、取説にはその旨の文章はどこにも無いので一定のレベルを要求するオプションであると思う。

週末に7MHz帯が賑やかな時間帯を狙ってノーマルのMX-7Sと比較する為の受信をしてみたが、確かにフィルターの効果は大きく、隣接するCW信号が聞こえてしまうノーマルフィルターのMX-7Sに対して、CF-800を装着したMX-7Sは信号がスパッと切れたように分離され、非常に心地よい受信を体感できた。
音質はスピーカーの関係もあり少々詰まったような音になってしまうが、選択度の向上という本質的な性能への影響は当時の価格4000円からすると非常にリーズナブルであると思える。
ただ、ピコトラの周波数調節ツマミのみでゼロインさせるにはシビアな力加減が要求され正直なところ辛く、そういった操作上の欠点や簡略化されているAGC回路などの関係もあってP-7DXやP-21DXなどが生まれたのだとも思った。


[ CF-800 取扱説明書 ]

ミズホ通信のピコトラ用CWナローフィルター CW-2S の取扱説明書です。
掲載にあたってはミズホ通信(株)の高田OMより承諾を得ております。

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 また、取り扱い説明書およびファイルの著作権はミズホ通信にあります。
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CF-800 cf-800_h.pdf
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cf-800_l.pdf
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