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■ RZ250のテールランプをLED化 ■

【注意】
この情報で改造を行うときは個人の責任の範疇で行ってください。
(責任持ちませんし、持てません。)


RZ250は製造から20年以上経過した電装故か、夜の信号待ちなどでヘッドライトを点灯させたままウィンカーを使うとアイドリング時にウィンカーが点滅せずに点灯し続ける状態となってしまう。
原因はメインハーネス含めた電装のどこかだがヘッドライトを消している状態ではウインカーが点滅するので、全体の消費電力を少しでも減らそうとテールランプのLED化を行った。
最初はGPZ900RのLEDテールランプ製作で余ったLEDを活用して自作を考えていたが、初期型RZ250/350のテールランプは大きな反射板が内部にあり、反射板を取らずに基板を埋め込もうとすると基板サイズを小さくしなければならい。
また、基板サイズを小さくしてもスマートな固定方法が無いので一枚の基板上に沢山のLEDを並べる方式が使えない状況だった。(反射板を取り払ってしまえばGPZ900Rと同じくレンズと同じ面積の基板を内蔵することが出来るが、貴重なテールパーツを改造してしまうことになるので好みではなかった)
そんなとき、バイク用品店の電装パーツ売り場で市販の製品にノーマルの電球と交換するだけのLEDバルブを見かけたので、実用的なパーツかどうか興味本位で購入し、RZ250のテールランプに装着してみた。

入手した製品はM&Hマツシマの超高輝度LEDバルブ L713R&W、NAPS練馬で\3,480だった。
ノーマルの電球と入れ替えるだけの構造になっており、電球のガラス部分は丸状の基板を埋め込み、その上にLEDを配置する構造だ。
このシリーズは様々な種類が用意されているが、RZのテールランプは23/8WのW球1個で尾灯・制動灯・ライセンスランプを賄っていることからW球タイプのライセンスランプ付きを選んだ。

製品は5φの赤色LEDが10個に3φの赤色LEDが4個、それに3φの白色LEDが2個の内容となる。
5φの赤色LEDは真後ろを照らすように取り付けられ、3φの赤色は斜め横を向いている。
白色LEDはライセンスランプとなるので真横(真下)を向くようになっている。

パッケージにはW球の場合、取り付け方向があるので購入前にノーマル電球のピンがどうなっているか確認して欲しいと書いてあり、向きを間違うとナンバープレートと逆の方向を照らすことになる。
ライセンスランプではもう一つ注意点があり、一部の車種では電球のピンの位置が変わっているものがあるらしく、正しく取り付けできないものがあるらしい。
また、これは個人的に気になった問題だったのだが、リフレクタ等のパーツが邪魔するなどして白色LEDがナンバープレートを照らすことが出来ない場合があるかもしれない。
LEDバルブをRZに取り付けてみたところ、上記の問題は杞憂に終わった。


LEDバルブ装着後、斜め後ろから

下から、白色LEDの位置が十分なのがわかる

イグニッションスイッチをONにすると、ライト関係のスイッチがOFFにもかかわらず尾灯が点灯した。
ブレーキをかけると明るさは最大限になり動作としては問題ないが、ライトが常時点灯式のバイクのようにテールランプが常に点灯し続ける結果となってしまう。
また、ギアをニュートラル以外にすると本来は消えるはずのTAIL/OILの警告灯が点灯したままとなってしまう。
単に電球と交換しただけの状態では以下の2点が問題として残る。

A)
ライトスイッチがOFFの状態でも尾灯が点灯し続けるように見える。
B)
ライトを点灯(ポジション含む)させるとTAIL/OILの警告灯が点灯したままとなる。

【調査】

対処を決める為には、まず仕組みを理解する必要がある。
上記の想像とRZ250/350のサービスマニュアル(以下SMと略す)に掲載されている回路図を頼りに実車にて電圧の測定を行ってみた。


1)
イグニッションキーがOFFの場合にはブレーキランプ・尾灯の電圧は0Vである。

2) イグニッションキーをON、ライトスイッチをOFFの状態にしてテールランプのソケット電圧を測定するが、ブレーキランプラインへ常に6V程度の電圧がかかっている。

3) ブレーキレバーを握るとブレーキランプラインの電圧は12Vに上がり、ブレーキレバーを離すと6Vに戻る

4) テールランプ(尾灯)の端子はライトスイッチをポジションもしくはライトにしない限り12V電圧が供給されず、ライトスイッチがOFFの時には0Vとなる。


【考察】みたいなもの

SMの回路図を見るとブレーキランプの配線は各ブレーキスイッチ(右ハンドルのフロントブレーキ/右フートレストのリアブレーキ)からのラインとランプチェッカから接続される黄コードの2系統が合流する形となっており、各ブレーキスイッチは単純なメカニカルスイッチであることから6Vの電圧は配線が途中で合流しているランプチェッカから出力されていると判断するのが妥当なようだ。(メカニカルスイッチはON/OFFしか仕組みを持たず、0V/12Vの選択肢しかないはず)
また、SMの回路図を見るとブレーキランプの配線は最後にGND(フレーム)へ落ちていることから、電球(LED)を光らせることが可能な要因はブレーキスイッチとランプチェッカの2系統しか存在しないことになる。
ブレーキスイッチは単純なメカニカルスイッチであることを考えるとLEDバルブが常に光り続けるのはこのブレーキ端子に流れている6Vが原因と推測される。
尾灯が点灯し続ける理由は上記の推測で説明できると思われる。

次にギアをニュートラル以外にした時にTAIL/OILの警告灯が点灯し続ける理由だが、「6Vの電圧を発生しているランプチェッカは何を行っているか?」を解明しないとだめだろう。
ランプチェッカの回路はSMでもブラックボックス化されてわからないが、常に一定の電圧を流し続けることでフィラメント球が断線していないか監視し、一定の電圧が検知できなくなった時点で「球切れ」と判断してメーターパネルのTAIL/OILの警告灯を点灯させるのだろうと推測される。(数個のトランジスタで構成可能な検知形リレー回路だ、電球部分をCdSなどの光受光素子に変更すると明るさに連動してON/OFFする自動照明装置になる)
フィラメント球の抵抗値は限りなく0Ωに近いので6Vより下だが近い位置に閾値を設定し、その電圧を下回った時に「球切れ」判定をしてメーターパネルのTAIL/OILの警告灯を点灯させるのだろう。(推測の推測だが、チェッカ電圧が12Vではなくわざわざ6Vになっているのはバッテリーのヘタりや電装の劣化なども考慮して単純に12Vの半分である6Vに設定したのでは。考えすぎだろうか?)
この時代の判別回路は一定の閾値を設定し、それより上か下かだけの二択で判断すると思われるので「中間」という概念が存在しないと思われる。
フィラメント電球の球切れ判定であればON/OFFの単純な判定で十分だろう。(この二択の判断回路を二段重ねることで中間域の検知まで設定できるが、球切れ判定であればわざわざ二段組みする理由がない。)

LEDはフィラメント球と違って高い抵抗値を持つ素子だ。
その抵抗値がチェッカ電圧である6Vを下げたことによってランプチェッカが「球切れ」判定でNGを出してTAIL/OILの警告灯を点灯させているのだろう。
→この段階では「ブレーキランプ」のみにチェッカ機能が効いていると思っていたが、その後の調査で「尾灯」にもチェッカ機能が効いていることが判明した。詳細は後述。


【対処】

仕組みはだいたい理解できた(はず)。
対処について幾つか思いつくが、仕組みを活かしたまま(つまり騙したまま)の正攻法でいくことにした。

・A)ライトスイッチがOFFの状態でもテールランプが点灯し続ける。

ランプチェッカのチェッカ電圧が原因でLEDが点灯していることから、ランプチェッカからブレーキランプまでの間の配線をカットし、ランプチェッカの出力をGNDに接地させてやればいいはずだ。

RZのタンク下にあるランプチェッカを取り外し、ブレーキラインへの出力配線である[黄]コードをコネクタから抜き出して、フレームに接続(GND接地)させてイグニッションキーをONにする。
テールに装着されたLEDバルブは光らず、ランプチェッカ含めた電装系からも異音・異臭はしないので問題ないようだ。
電球のフィラメントは抵抗値が無いに等しいレベルなのでオーバーロード対策にダミー抵抗などを挟む必要は無いものと思われる。
これで「A)」の問題はクリアできたと思われる。
処置として配線[黄]の金属パーツ(コネクタ)をバラしてGNDである配線[黒]へ統合してランプチェッカ側のみの配線変更でチェッカ電圧配線をGNDへショートカットするこができた。(メインハーネスには一切手をつけたくなかった)

・B)ライトを点灯(ポジション含む)させるとTAIL/OILの警告灯が点灯したままとなる。

次に「B)」の問題だが、これは少々面倒に思えた。
上記「A)」への対処でブレーキランプの球切れチェッカ機能を殺したはずなのだが、ライト・ポジションをONにすると相変わらずTAIL/OILの警告灯が点灯したままの状態となるのだ。
SMの配線図を見直してみるがブレーキランプ配線のように他から給電している様子は無くシンプルな一本道だ。
もう一度、オルタネータ・バッテリーから電球までの経路を1本づつ辿ってみるが、発電(ステータコイル or バッテリー)からスイッチ、電球(尾灯)までの間に必ずランプチェッカが割って入っている。
ここで推測をしてしまうが、ブレーキランプのような別配線によるチェッカ電圧の供給ではなく、配線の間にランプチェッカを入れることで通電の確認を行っているのだろう。
そこでライトスイッチを中心に配線図を辿ってみるとランプチェッカへ延びる配線が1本ありライトスイッチと連動している。
テスタで調べてみると、この配線はライトスイッチがOFFの時は電圧がかからず、ライトスイッチをポジションもしくはライトONにすると12Vの電圧を流す。
ということは、このチェック機構は12Vがかかることで機能を「ON」にし、12Vがかからなければチェックそのものを行わないのではないだろうか?
ランプチェッカに12Vが給電されていなければ、実車のライトが点灯していてもランプチェッカはテールバルブの球切れ判定を行わない→TAIL/OIL警告灯は点灯しない、と考えられる。
対処として、ランプチェッカとメインハーネスとの接続コネクタの間のコードのうち[青/赤](私の実車では[青/黄]だった)のコードと[青]のコードをカットし、コネクタ側の[青/赤]と[青]をつなげて短絡させた。
これでメインハーネスからランプチェッカを通ってテールバルブへ流れる電圧をランプチェッカに通すことなくテールランプを点灯させることができる。(ランプチェッカは永久にライトスイッチがOFFと判断するのでテールランプの球切れチェックを行うことが無い)
「B)」の問題はこれで解決されるはずだ。

私の場合、念のためにランプチェッカからテールバルブまで延びていた配線[青]をブレーキランプの処置と同じくGNDへ接地させた。
これは調べ切れていない他の配線から電圧がかかった場合にチェッカ回路が動作しても問題がないようにするためだ。
推測が全て正しい場合はこの処置は不要なはずだ。


変更を加えたランプチェッカ

カットした部分は熱収縮チューブで防水加工を行う

配線変更を施したランプチェッカをRZに装着し、LEDバルブをテールに取り付けてイグニッションキーをONにする。
エンジンをかけないままギアをニュートラル以外にしてパネルインジケータを見るがTAIL/OIL警告灯は点灯しない。
そのままライトスイッチをポジション・ライトと変更するが警告灯は点灯しない。
2stオイルタンクからセンサーを引き抜き、フロートをセンサー下部になるようにするとTAIL/OIL警告灯は点灯する。
(TAIL関係のチェッカ機能を殺したために、「TAIL/OIL警告灯」は純粋に2stオイルのLowLevel警告灯、つまり「OIL警告灯」としてのみの動作となる。)
ランプチェッカはじめ、電装系の各所からは異音・異臭は聞こえない、成功のようだ。
ギアをニュートラルに戻し、エンジンを始動させて同じように色々とテストするが(センタースタンド装備なので後輪は浮いたままとなる、センスタ外している人は注意してください)オルタネータから13〜14Vの電圧を受けても異常は見られない。
保険としてテールランプの配線をGND接地させているが、変更された配線図は下記の通りとなる。


簡単な方法

簡単な方法として、ランプチェッカからメーターボックスのTAIL/OIL警告灯に延びている配線[黒/赤]をカットしてしまう方法もある。
ランプチェッカ側は球切れと判断するのだが、警告灯に接続されていなければ関係ないという考え方である。
2stオイルタンクのオイルレベルセンサーは別配線でTAIL/OIL警告灯に接続されているので影響は無く、手法的にはこちらの方が簡単だろう。(今回は整合性に拘ったので手順が多い方法を選択している)

これによって簡略化されるのはB)への対処のみなので、A)への対処も別途必要だ。
但し、ランプチェッカからTAIL/OIL警告灯への配線を殺しているので、上記B)の対処とセットという考えで以下の簡易対処が使えると思われる。

[ランプチェッカから出ている6Vのチェッカ電圧配線をブレーキ配線から切り離す]

ランプチェッカから出ているブレーキランプの球切れチェック配線の[黄]コードをカットしてブレーキランプへ流れなくしてしまうだけだ。
当然、ランプチェッカは球切れ判定を出すのだが、光らせるべきTAIL/OIL警告灯への配線もカットされているので光りようが無いという形だ。

この簡単な方法ではランプチェッカ側のコードを2箇所だけカットするのみで終了する。
カットするのは下記の図の箇所。

他の方法としてブレーキ配線に抵抗を入れてチェッカ電圧の6VをLEDが駆動できない電圧・電流量に落とすという方法もあるが、抵抗値の計算と消費電力に合わせた抵抗を用意(おそらくセメント抵抗になる)する必要があると思われるので、定数の算出や部品の入手性なども考えると万人向けではないのでお勧めできない。

どの方法でもテスターは必須だ。
点灯するだけの導通テスターでは電圧が読めないので、安物でもいいから電圧が読めるテスターを用意してから作業することをお勧めする。
また、私が所有しているRZの配線で色を表記したが、ロットによって色が異なるのかどうかは把握していないので、配線をカットする前に必ずテスターで出力等が上記の考察の内容等と合致するかどうか確認し、個人の責任にて判断し、配線をカットして欲しい。

最後に、ここで説明した内容はRZが本来持っている「球切れ」の仕組みをキャンセルしてLED化を行っているので運行前点検としてブレーキランプが機能しているかを必ず行うようにしてほしい、この改造によって事故等により損害が発生しても私は責任持たないし、持てないので個人の責任にて作業されることをお願いします。(お約束の言葉なので敢えて書かせて貰います)


尾灯のみ点灯の状態で後方から

ブレーキランプ点灯状態で後方から

尾灯のみ点灯の状態で斜め上から

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