現在は家電以外でお目にかかることが少ない「National」ブランドのCBトランシーバー。8ch/500mWのスペックだが、一応は防滴を考えて作られているので大きめのボディとなっている。RJ-580などの大柄なボディの機種と比べるとアンテナの長さや回路構成などの理由で劣る受信性能だが、筑波山山頂からは軽く関東一円をカバーできた。
このRJ-380は中学生の時に入手し、最盛期には週末になると筑波山まで自転車を走らせ徒歩で山頂まで登って運用していたが、電源に使用する単三電池8本の電池代が中学生の身には悩みの種だった。
(1980年代前半は単三型ニッカド電池の400mA/hでも大容量と言われ、8本も揃えると中学生の小遣い程度ではカバーしきれない金額だった)それでも残り少ない電池を大事に使って得た経験は今でも活きる時があり貴重な時間だったと思う。
この頃はCB無線もまだ盛況で日曜日になると必ず誰かが山の上から運用しており、移動運用同士だが毎週必ず声を掛け合う場面が多かった。筑波山からだと利根川河川敷・高尾山(東京)・大山(神奈川)・八溝山(茨城)など山頂同士で強い信号のやりとりが出来た。
RJ-380はどちらかというと混信には比較的弱く、運用周波数(ch)であった27.144MHz(8ch)付近で違法CB局が聞こえ出すと、違法局の汚い電波も手伝って混信状態になり使い物にならなくなる。
また、弱いかすかな信号もRJ-580などの大柄な機種では拾えるがRJ-380では何も聞こえないなどDXを行うには少々無理があったようだ。メリットとしては水・食料を持って標高700m程度の山へ担ぐには苦にならない重さ程度だったが、筑波山程度の山頂でも急に雲がかかり濃霧状態となる事も多く、防滴ライクなボディには助けられたと思う。
2005年現在では受信性能の低下もあり使用することはないが、最初の無線機としてモニュメント的に所持している。
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