YAESU FT-817
HF/VHF/UHF ALL MODE Portable TRANSCEIVER
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2000年9月に発売された1.8MHz〜430MHzまでをカバーするオールモードポータブルトランシーバー。
送信出力は5W/2.5W/1W/0.5W(SSB/CW/FM、AMは最大1.5W)となり、受信にゼネカバ機能が搭載されている。
電源は13.8Vの外部電源と単三型電池が8本内蔵可能で、オプションのリチャージブルバッテリ使用時にはFT-817本体で充電も可能。
会社名はスタンダードになっているのだが、Rigには「YAESU」とあり何となくこだわりを感じる。
FT-x90シリーズの後継というには、ややコンセプトの違いを感じている。
確かにモノバンド機のFT-290/690/790mkIIから比較すると飛躍的に小型化されているが、最大5Wのパワーは「おまけ」と思えるほど使用条件が限定されている。実際に内蔵電池で5Wの出力は得られず運用は実質2.5W〜0.5Wのみと考えるのが妥当。(その2.5Wも電池があっという間に消費されてしまうので、交換電池ナシの場合は1Wか0.5W程度が実用出力のようだ)
巷では「使うシーンが限定される」と批評されているが私も同感で、使う側で一工夫しないと非常に使いづらい高価なオモチャとなってしまう。そのかわり自分のスタイルとマッチした時は非常に楽しく使える無線機になると思う。
私のFT-817は2002年12月に新品にて購入したが大きな交信実績は無し、理由は「ミズホ通信のピコトラがあるから」。
そんな理由に加えて2004年はほぼQRT状態だったこもあるが、2005年からは”のんびり”と再開する予定なのでFT-817での通信実績を作っていきたいと思っている。(普段は部屋のFMラジオと化しているが、FMラジオとして活用しているのはFT-817オーナーに結構多いのではないだろうか?)
出力は人によっては話にならないレベルかもしれないが、この大きさでHFからUHFまでカバー、しかもオールモードなんてRigは私が無線に興味を持ち始めた1980年代前半に夢の存在だった。
販売数はそこそこ良い数字と思われる機種なのにYahoo!オークションなどで本体をそんなに見かけないのは皆が手元に置いておきたいのかと好意的に解釈している。(そんな私もFT-817を手放せない人間の一人だ。)
オプションのソフトケースも購入したが、とりあえず本体をガードしてくれる程度のものでしかない。
マイク・付属のアンテナはケースと別にパッケージする必要があり、ICOM IC-505のキャリングケースのようにマイクなども入るポケットを装備して欲しかった。
しかもこの817専用ソフトケースには小さなサイドポケットがあるのだが、付属のアンテナが入る訳でもなく理解に苦しむ。
いっそのこと無い方がすっきりしているのではないかと思っている。
そんなソフトケースだが一つだけ良い点がある。
横置きするときにフロン部分のカバーを本体下へ巻き込むように入れてしまうとパネル部分がリフトアップしてチューンダイヤルなどの操作が飛躍的に向上する。
リフト量の細かい調整などは難しいが、車以外で移動する場合には重宝するかもしれない。
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付属アンテナ本体も50MHz用のコイルもどちらもポケットに収まりきらない。
しかもアンテナ本体はBNCコネクタ部が太めのためポケットに入れるにもかなり苦労する。 |
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フロント部分のカバーを下に巻き込むとわずかだがリフトアップして簡易スタンドとなってくれるので、個人差はあるだろうが操作し易くなる。 |
■市販ニッカド電池で充電
専用ニッカドバッテリーの値段にビビってしまい秋葉原で1000mA/hの単三ニッカド電池を調達した。
そのままではFT-817での充電が出来ないので、バッテリーボックスに延びている配線「緑」をコネクタから外した。
インターネット上で得た情報だが、これで本体側から充電が可能となる。
欠点として乾電池でも充電を開始してしまうので扱いに注意が必要。
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バッテリケースに延びているコネクタの配線から緑のみを外して処置は完了 |
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純正品と同じスペックのニッカド電池は秋葉原で1本200円以下で入手できた |
■ノートPC用ACアダプタの流用 (2005/01)
FT-817は使用しないときでも内蔵ニッカド電池から待機電流を消費していくので、たっぷり充電しても気が付くと半分も残っていない時がある。
そこでノートPC用のACアダプタを用意して常にFT-817へ電流が供給されるようにした。
FT-817自体は16V程度の電圧までOKらしく、IBMあたりの16VACアダプタを流用する人が多いみたいだが個人的には安全圏を見込んで15V/3A程度が無難だと思っている。
私の場合は自宅から運用することは無いと言っても過言ではない環境なので、無難な14Vタイプを探した。
14V程度で有れば電圧管理にそんな厳しくはないACアダプタでも13.8Vを入力電圧とする周辺機器が流用できると考えたからだ。
Yahoo!オークションにて探したのは14V/2A以上のスペックを持った比較的小型な部類のACアダプタで、ヒットしたのは14V/3Aというスペックの三菱ノートPC用の純正ACアダプタだった。
ノートPC用ACアダプタを流用する場合に問題となるのがノイズ音問題。
WEB上の掲示板などでは同じ製品でもノイズ音があったり/なかったりとバラつきを指摘する情報もあったが、私が入手したACアダプタは幸いにも送受信共にノイズ音(ハム音)らしきものは聞こえないので一安心のようだ。
ACアダプタの出力をテスターで計測してみると14.2V程出ているので願ったりかなったり。
FT-817にダミーロードを装着したパワーメータを接続し、各バンドにて送信テストを行ったが最大パワーの5Wモードで出力不足や妙な針の振れ方・受信側のでのハム音は確認されなかった。
まだ裏メニューで各バンドの最大出力を5Wに調整していない工場出荷設定での話となるが…
FT-817とのサイズ比較、割と小型の部類と思われる
■WEBで収集したTIPS (2005/01)
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1)アンテナコネクタの違いによる消費電流 |
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FT-817に2つあるアンテナコネクタだが、リアのM型コネクタとフロントのBNCコネクタはリレーで切り替えている。
リアのM型コネクタ選択時はリレーが「ON」となっているのでフロントのBNCコネクタにアンテナを接続した方がリレー分の消費電力が節約できる。
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2)裏メニューによるパラメータ調整 |
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各バンドで出力にバラつきがあるケースが多く、裏コマンドメニューにてパラメータを調整することで出力を調整出来る。
但し、工場出荷設定にはそれなりの理由があり、デバイスの単体の性能以外に回路全体の負荷なども考慮されていると思うので無闇に手を付けるべきでは無いと思われる。
また、工場出荷パラメータの数値は個体別に違うらしく、他のFT-817の設定値は参考にならないようだ
パラメータをいじる時は必ず変更前の数値を全てメモし、異常があった時はすぐに元へ戻すのが必須条件だ。
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3)アース線のネジ |
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カウンターポイズなどアース端子へ何らかの線を接続するケースがある場合、FT-817背面のアース端子が単なるネジなので使いづらい。
ここを蝶ネジにしたり、短めのリード線などを常に接続して先端にギボシ端子などを装着するなどワンタッチで脱着できるようにすると楽だ。
FT-817の背面、左下にGND接続のネジがある。
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4)バンド毎の消費電流(未確認情報) |
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小耳に挟んだレベルの情報だが、特定のバンドで送信時の消費電力が2Aを越えるケースがあるようだ。
今のところは144MHzや430MHzのFMモード時だが、裏メニューの出力調整と絡んでいるかもしれない。
個人的には5W送信を安定して行う場合、13.8V/3Aの電源があれば十分と思っている。
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5)内蔵SWRメーターの目安 |
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FT-817のメーターにはSWRモードがあるが、異常値の時に[HSWR]と文字が出る以外はバーグラフが表示されるだけで数値がわからない。
これはFT-817オーナーのサイトを検索すれば出てくるが、バーの表示2本と3本の間がSWR値1.5のようだ。(2本で1.3程度、3本で1.6ちょっととなっており、4本で2.0、8本では5.0となりHSWRの文字が点滅する。)
SWRメーターはアンテナに近ければ近い程良いので、あくまでも目安なのだろうがYAESUには数字で出して欲しかった気持ちが強い。
(2005年1月現在「FT-817」「GANGAN」で検索すると情報源にヒットするはず)
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■バッテリーカバー取り外しの改善 (2006/01)
FT-817には単三型電池を8本内蔵もしくは純正ニッカド(NDではニッケル水素)電池パックを内蔵出来るが、本体下部に装着されている電池カバー(蓋)が取り外しにくい。
取り外すためには指で押すなどしてノッチをスライドさせるのだが、目一杯スライドさせても電池カバーが浮いてこないので爪楊枝や精密ドライバなどで浮かせる必要がある。
室内なら工具などをすぐに出せるが、野外運用中に電池交換などの場合は少々面倒でもある。
と、いうことで簡単な処置だがバッテリーカバー(蓋)を少しでも取り外しやすいように手持ちの材料で足掻いてみた。
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このバッテリーカバーを外すために画像中央のノッチを手前にスライドさせるのだが、小さく操作し辛い。
ツメの先などで目一杯スライドさせても蓋が浮いてこないので残った手のツメで蓋を掻き出すか、FT-817を逆さまにするなど利便性が良いとは言い難い。 |
このカバー(蓋)は単純に一枚の板となっており、FT-817本体側にもカバーを浮かせるような仕組みは一切持っていない。更にカバーのヒンジ側にはクッションとなるゴムが装着されており、これがカバーを取り出し辛い状況に拍車をかけているような気もする。
今回は単純にカバーがほんの少しだけ浮くようになればいいので、スポンジを小さくカットしてカバーの内側に両面テープで貼り付けるだけにした。
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電池カバー裏側に小さくカットしたスポンジを貼り付けた。
スポンジはバイクのブレーキパッドの押さえになっていたものを廃品利用、貼り付けはお手軽に両面テープ。
手前側中央に見えるのがバッテリーカバーを固定するノッチのツメがかかる箇所。 |
スポンジはバッテリーカバーのノッチ側だけに装着した。
FT-817に取り付けてみたところ、電池を内蔵していればスポンジがカバーを持ち上げるような形となり、意図したとおりの結果となった。ただ、電池を内蔵していない時はスポンジが空の電池ケース内側に逃げてしまうらしくカバーを持ち上げなかった。
場当たり的な対処としてはダミー電池をスポンジ側に2本だけ装着しておくなどすると良いかも。
両面テープもスポンジも耐久性は無い部類だと思うが、材料費は格安なのでヘタりが出た時に交換すればいいと考えている。
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電池を装着した状態でノッチをスライドすると、この程度までカバーが浮いてくれるので今のところは十分だと思っている。 |
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