FT-203は1983年10月に発売された144MHzFMハンディトランシーバで、出力は最大3.5W(Ni-Cd電池パックFNB-4使用時)。Ni-Cd電池パックFNB-3使用時は2.5W(LowPower時300mW)となり、単三乾電池6本を使う電池パックFBA-5では1.6Wの最大出力となる。
PLL式ながら今では死滅したサムホイール式を採用しており、ハンディトランシーバーの照明付きSメーター搭載も当時は珍しかったが、FMしか運用できないサムホイール式のハンディトランシーバーといえども本格的であるとしてスタンダードのC110と共に当時は結構売れた機種だと記憶している。
FT-203が発売された頃は警察無線もまだアナログ式のFM波で、146MHz〜148MHzを使用しておりFT-203で聞くことが出来た。当時、中学生の私は知り合いから借りたFT-203で警察無線を聞いていたが、アマチュア無線の資格は持っていなかったのでアマチュアバンドに関しても傍受するのみ。
今は閑古鳥の鳴く2mFMだが、当時はどの周波数でもFM運用の局を見つけることが出来るくらいひしめき合っており、サムホイール式でも十分楽しめた。144.00でFM波を出す局もあったなどバンドプランが守られていなかったのは誉められたものではないが…
Yahoo!オークションにて入手したこのFT-203はFNB-3に専用のACアダプタPA-3も付属していたが、FNB-3経由で10.8Vを供給すれば2.5Wの送信出力というコンディションにもかかわらず2mFMで声を出す気は今のところ無いのでシャックの飾りとして鎮座している。
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