Album トップページ > Album > 乗鞍スカイライン ラストアタック

乗鞍スカイライン ラストアタック

2002/10

野麦峠から見た乗鞍岳

きっかけ

ふとしたことからオートバイ関係のWebページで乗鞍スカイラインが2002年で一般車通行規制を始めると知った。乗鞍スカイラインは以前から走りたいと思っていたので駆け込みラッシュに混じり行くことにした。


出発

1泊の予定だったが10月半ばの3連休でもあり混雑すると思い1日だけ休暇を取り、連休前日の早朝(深夜?)に都内を出発。新宿から国道20号をひたすら走り諏訪を抜けて塩尻へ全て下道のみで走り、県道25号線のサラダ街道(どこが?)を経由してR158へ。流石に平日なのでトラックは多いがバスが少ない分、道は順調に進むことができた。


森林限界

午前8時頃に奈川渡ダムの梓川テプコ館を通過してしまったので、午後は道が混むと思われるエコーラインへ荷物を積んだまま向かった。ひたすら続く上り坂を走っていくと徐々に視界が開けて行く、森林限界だ。

エコーラインの森林限界点あたり エコーラインの森林限界点あたりから東側の山々を写す。
下に見えるのはエコーラインの路面。

午前中なので道が空いているのか自分の前後には車影も無く、気が付くと畳平へ到着。
荷物を積んでいることもあり畳平へは止まらず乗鞍スカイラインへそのまま入り、気まぐれに四輪とすれ違う程度の空いた道をゆっくりと楽しんだ。(荷物を積んだままとは言え、この状況を楽しんでおいて良かったと思うことになるのだが…)
白山連峰を遠くに見ながら森林限界を抜けて木々が生い茂る道に戻り、平湯の料金所を通過して平湯キャンプ場へ到着。連休前の平日ということもありテン場には誰もおらず、好きな場所にテントが設営できた。都内を出たのが深夜1時頃だったからか、設営終了と共にテントの中で一休みするつもりで横になったら寝てしまう。目が覚めると午後4時を過ぎており、おもむろにタオルを肩に掛けて立ち寄り湯にもなっている平湯の森へ…
お湯を堪能して平湯の森を出る頃には外も薄暗く、腹も減ってきたので温泉街にある酒屋件雑貨屋の「つるや」で温泉たまご(「はんたいたまご」という名称だったが)を数個買い、平湯ターミナルで濁り酒の「しろき」と牛タンスモークを買いテントへ戻る。テン場には何組かのテントが設営され、あちこちでランタンの灯りがともされていた。


二人組

気温も下がり、濁り酒を熱燗にして晩飯にしてると一人の青年が「工具ありませんか?」と声をかけてきた。話を聞くと持ってきたガスランタンが壊れたので分解して直したいというが、危険なのと自分も分解できるような細いドライバなどを持ち合わせていなかった。結局、二人はランタンの分解をあきらめて懐中電灯で食事をとることにした。
その懐中電灯も小型で、事務所にレンタルランタンがある事を伝えたが予算が苦しいらしく懐中電灯で乗り切るつもりだった。自分も過去に似たような経験があったので、お仕着せがましいのを承知の上で事務所からランタンを借りて二人組に差し入れた。
差し入れついでに晩飯も一緒に食べることになり、聞くとキャンプ場に二泊の予定で滋賀から来た青年二人組で、乗鞍スカイラインへの一般車乗り入れが今年で最後なので四輪で来たそうだ。


渋滞

翌朝、7時頃に目が覚め朝食を済ませると乗鞍スカイラインへ向かう。平湯峠を上り平湯料金所へ向かうT字路を曲がってカーブを数個過ぎると手前から渋滞が始まっていた。しばらく並んでいたが5分以上たっても列に動きが見られないので車の横をすり抜けながら走ったが、料金所から先も車の列が続いていることから嫌な予感を感じて平湯キャンプ場に戻る。
キャンプ場の目の前を国道158号線が走っているが、その電光掲示板には午前9時半の段階で「乗鞍スカイライン渋滞8km」と出ている。乗鞍スカイラインは全長14kmだったはず、ということは半分以上が車の列…その日は走るのを諦めた。
滋賀から来た二人組はまだ乗鞍スカイラインを走っていないということでエコーライン側から入ると言って平湯キャンプ場を出発。私はといえば、上高地にでも行こうかと思ったが既に時間が遅かったので昨日と同じように平湯の森へ行き、午後までのんびりと過ごしてテントへ午後3時頃戻る。滋賀の二人組はまだ帰ってきていなかった。
スカイラインの状況を示す電光掲示板を見ると「乗鞍スカイライン 渋滞10km」…アカン…こりゃダメだ、3連休の初日に加えて天気は快晴、そのせいか目の前の国道には車の列が延々と続いている。
新平湯にあるCOOPとちお店へ晩飯の食材を買いに行き、夕方6時頃にキャンプ場へ戻ると滋賀の二人組が帰ってきていた。聞くとエコーラインから乗鞍スカイラインまでずっと渋滞しており、昨日の自分がゆっくり走って2時間程で抜けてきた道を8時間かけて通ってきたそうだ。
片方の子が「景色は嫌と言うほど堪能しました」と苦笑いすらしている。晩飯を彼らと一緒に食べ、翌朝はご来光を拝みに行くため早めに寝た。


御来光

深夜2時、少し早いとは思ったが昼間の渋滞からご来光を見るためにかなりの人が来ると察してキャンプ場を後にする。満点の星の下、エコーラインを上るが視線を移動させると上にも下にも車のライトがチラホラ見え、それらのほとんどがご来光を拝む為に走っている車であろうと思った。エコーラインの半ばを越えたあたりから渋滞気味にゆっくり走る車の列が見え始め、森林限界を超えるあたりでは車が完全に動けなくなって、中の人は車中泊状態になりはじめていた。
相互通行のはずのエコーラインが、畳平のゲートが閉まっているからか完全に一方通行状態になってしまい、動けなくなった車が右や左に停車してしまっている。バイクで来た人たちも車の隙間を抜けて走るのが面倒と思ったのか、路上でテントを設営してる場面もあった。
車の間をなんとかすり抜けながら畳平まであとちょっとの距離まで進んだが、途中でど真ん中に停車したワンボックスとキャンピングカーに完全に道を塞がれてしまった。仕方なくバイクを停め、エコーラインの残りがどの程度が確かめるためにライト片手に歩くが、畳平ゲートまでほんの数百メートル程度の距離だということが確認できた。
バイクへ戻り車をパスできないか隙間をチェックするが、キャンピングカー左脇にギリギリ通れそうな隙間を見つけるも、少しでも間違えば車体が接触してしまう状態に諦めかけた時、下から数台のバイクが私と同じように行き詰まった。
男女混合の集団だったが、私がキャンピングカーの左側にギリギリのスペースがあることを伝えると、1台づつ通して残りの人は車体が接触しないようにサポートしようと提案してくれた。
私も手伝ってバイクの車体が車に接触しないように手をあてたりして1台ずつクリアしていき、私も彼らのサポートで無事にクリア出来た。(感謝!)
畳平のゲート前でバイクを停めると男女混合の集団は剣ヶ峰まで登ってご来光を拝むそうなので別れる。私はバイクブーツで来ていたので、岩がゴツゴツした道は正直適していなかったことから畳平でご来光を拝むことにした。
午前3時半頃、遠くからバイクや車の走る音が聞こえ、振り向くと乗鞍スカイラインの平湯ゲート側から畳平に向かうライトの列が見えた。ご来光を拝む人が沢山並んだことにより平湯ゲートが3時半頃にゲートを開いたらしい。
やがて東の空が明るくなり摩利支天岳や富士見岳のシルエットが見え始める、畳平の広場には50人以上のご来光を拝むために集まった人が居る。やがて、東にある八ヶ岳から登るご来光を雲一つ無い好天の状況で拝むことが出来た。

薄明に浮かぶ大黒岳 薄明に浮かぶ大黒岳。
山肌に見えるのは登山中の人影。
八ヶ岳から昇るご来光 八ヶ岳から昇るご来光、畳平の広場にて。

ご来光を拝んだ後、畳平のゲートが開く午前7時までのんびり過ごす。待っている間にエコーラインを上から覗くと、エコーラインの車道には視界の限りの車が列をなして停車していた。私がサクサクと走っていた場所にも車の列が見え、日の出までにかなりの数の車が押し寄せたみたいだ。


入山規制

午前7時になり畳平のゲートが開くと先頭に位置していた車の人がバイクを先に出してくれて(感謝!、ちなみにこの人は前日の夕方6時、つまりゲートが閉まった直後から並んでいたそうだ)畳平へ寄らずに乗鞍スカイラインへ進んだが、畳平手前のT字路を曲がってすぐに気が付いたのが反対車線の車の列・列・列…、午前3時半頃に平湯ゲートがオープンしてからも車が続々と乗り入れ、畳平ゲートがオープンしていない為に乗鞍スカイライン上で停車したままらしい。
しかも、畳平ゲートがオープンしたとは言え畳平駐車場は遠くから見る限り満車状態、脱出路でもあるエコーラインは昨晩からの車列と私も難儀した車道の左右を気にせず停車している車が動くまで反対車線が使えない状態と想像できる。
T字路から1kmも走った場所にあるご来光ポイント駐車場にで入るが、乗鞍スカイラインの車列は畳平へ向けてノロノロ運転状態が続き、再び乗鞍スカイラインへ戻って平湯料金所を目指すが対向車線は延々と続く四輪の姿しかなかった。

大丹生岳方向を望む 大黒岳を過ぎたご来光ポイントから大丹生岳方向を望む。
遙か先には平湯料金所から畳平へ向かう車の列が延々と続いている。

平湯方面から上ってくるバイクはというと、車線が四輪で埋まってしまい路側帯側にも通行できるスペースは無い。そこで仕方無く対向車線に出て渋滞をパスしていたが、対向車線本来の通行者である私とすれ違う時はお互いに左右へ避けてほぼ全員がピースサインを送ってくる。
今までのバイク人生で逆走状態のバイクと和やかにピースサインを交わすのは初めてだ。すれ違うバイクもこちら側に気を使ってなるべくセンターライン側を走るので、異常なのだが暗黙のルールみたいなものが即座に通じてしまっている不思議な状態に苦笑いしてしまった。
対向車線の渋滞は平湯料金所を過ぎても続き、平湯峠の分岐でようやく切れていた。

キャンプ場に戻ると国道の電光掲示板には「乗鞍スカイライン 渋滞14km 入山規制中」と異常な文字が並び、目の前の国道も昨日から更にノロノロ運転、いや、ほとんど動かない状態となっていた。滋賀の二人組もとんでもない渋滞に呆れてしまい、もう一度乗鞍スカイラインへ上ろうと考えていたらしいが諦めて帰ることに決めたらしい。
私もテントを撤収し、午前10時に二人組へ別れを告げて平湯キャンプ場を後にした。


再び渋滞

キャンプ場の前を走る国道158号線を松本市へ向かうが、平湯バスターミナル手前の安房トンネル出口は車の行列、しかも動いていない。
私は安房トンネルと通らず安房峠を越えていった。
不思議なことに車もまばらで釜トンネル手前の信号までゆったりと走れたが、そこから先は対向車線に車の行列を見ることになった。
奈川渡ダム前後のトンネルの中も渋滞しており、車が動いている気配は無い。
行列の間にバイクの集団がチラチラ見えるが、トンネルの中なので追い越しもUターンもできず仕方なく並んでいるように見えた。
私はヘルメットの中から「そっちに行っちゃダメだ」と念を送るが(w、届くわけもなくすれ違う。
安曇村を過ぎても乗鞍方面への国道は渋滞しており、トイレ休憩の為に道の駅(アルプスの郷?)に立ち寄ったが、そこには十数台のツーリング集団が居て渋滞のひどさに地図を見ながら相談していた。
私が乗鞍方面から来たので「道はどうなっていますか?」と聞かれたが、平湯まで渋滞が続いていて、ほとんど動きが無いことを伝えると悲痛なリアクションが帰ってきた。
どうやら乗鞍スカイラインを目指していたが、あまりのひどさに白骨温泉へルート変更しようと考えていたらしい。
しかし、白骨温泉まで行くには渋滞の列に並んで奈川の分岐まで走るか、国道19号まで引き返して奈良井経由で境峠から入るしかない。
彼らと会話していた時間は10分ほどだったが、アルプスの郷に入る前に彼らの前を走っていたバスは道の駅の前にまだ居るとのこと…10分かけて数メートルだけ進んだらしい。
結局、彼らは目的地を野麦峠に変更して国道19号まで引き返してから境峠経由で向かうと行って出発していった。
私はしばらく渋滞を眺めてまったりした後、松本へ向けて出発したが平湯から続いていた渋滞は国道158と県道48号線が交差する新村交差点まで続いた。

午後1時頃に長野道の松本インターから高速に乗り、中央道の高井戸出口まで一気に走って午後3時には都内の自宅へ戻った。その夜、何気なくテレビを見ていると乗鞍スカイラインのニュースが流れ、今日の入場者数が乗鞍スカイライン開通以来の最高数を記録したとなっていた。


トップページ > Album > 乗鞍スカイライン ラストアタック
SSC HomePage